医薬健康
白山市年産5000トンの原薬プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1 製品簡単紹介
原薬は活性薬物成分とも呼ばれ、化学合成、植物抽出またはバイオテクノロジーによって製造されるが、患者への直接投薬が可能な物質ではなく、通常、補助材料の添加や加工を経て直接投薬できる医薬品の製造に使用される。
本件プロジェクトは化学原薬、原薬中間体、漢方や西洋薬製剤の生産を主とする総合的な製薬プロジェクトである。主にアスピリン、ゾピクロン、グアセチサル、グリキドンなど原薬23種類と医薬中間体を生産する。
1.1.2 市場の見通し
1.原薬産業チェーン
原薬産業チェーンは上流の基礎化学工業と農林牧漁業をカバーし、主に基礎化学工業、植物栽培、動物養殖と一部医薬中間体制の製造などを含み、中流は原薬の生産であり、すなわち化学合成、動植物抽出、微生物発酵その他現代バイオテクノロジーなどによって原薬を製造し、下流は化学製剤の生産など多くの製造業事業がある。
そのうち、上流産業は基礎原料の供給、中流産業は核心となる製造段階であり、下流産業は原薬を最終的に患者への直接投薬可能な医薬製剤に変換する段階である。産業チェーンにおいて、原薬の生産段階は技術に対する要求が高く、同時に上流原材料の価格変動と下流市場の需要変化による影響を受ける。通常、化学製薬業界の総利益率は上流から下流へと上昇していく傾向を示し、原薬の総利益率は化学抑制剤より低く、中間体より高い。
2.グローバル原薬市場の現状
グローバル医薬市場の発展に伴い、原薬は医薬工業の「ICチップ」と言えるくらい、製薬産業チェーンにおける重要な一環として、医薬業界で重要な地位を占め、その産業の発展動向と競争構造は業界から広く注目されている。
世界的に見ると、原薬市場は2020年のコロナによる低迷期からの脱却につれ、次第に成長を回復してきた。世界の原薬市場規模は2020年発のコロナによる影響を受け、2019年に比べ3.95%減で1822億ドルから1750億ドルに減少したが、その後すぐに2021年からプラス成長に回復、2022年には世界の原薬市場規模は2040億ドル、2023年には2147.2億ドルに達した。
現在のグローバル原薬市場の競争構造では、アメリカ企業は医薬品特許の優位性を持ち、西ヨーロッパ企業はプロセスの優位性を持っている一方、インドと中国をはじめとする発展途上国の原薬企業は相対的なコストの優位性を持っている。研究開発、生産プロセス、知的財産権保護など多方面のギャップにより、欧米先進国の原薬企業は付加価値の高い原薬分野でリード地位を占めている。それに対し、 中国、インドなどの原薬企業は自身のコスト、規模などの優位によって後発医薬品原薬市場において地位が高まっている。
原薬の市場シェア、輸出先数などの指標を総合的に見ると、世界ランキング上位5位圏内にある原薬メーカー(輸出業者)のうち、インドは4社があり、絶対的な優位性を持っている。中国には数百社の原薬輸出会社があるものの、華北製薬グループ、東北製薬総工場、哈爾浜医薬グループ、浙江海正薬業グループ、珠海連邦製薬会社など少数の会社の輸出規模は相対的に大きいが、それ以外は国内大多数の原薬輸出業者の規模は普遍的に小さいため、グローバル原薬メーカーランキングで中国企業は下位にランクされている。
3.中国原薬市場の現状
1990年代以前、欧州と米国は世界の主要原薬産地であったが、90年代以降、環境保護や人件費などの要因により、欧州と米国の生産能力は次第に海外に移転し始め、中国とインドを筆頭にした新興市場が急速に台頭、原薬の主要産地と輸出元国になってきた。
ここ数年来、国は次々と様々な産業政策を打ち出し、中国の原薬業界を高質発展に導き、原薬産業は新しい発展機会を迎えた。中国医薬ヘルスケア製品輸出入商会のデータによると、中国はすでに長年にわたり世界最大の原薬産地国・輸出元国であり続け、複数種類の原薬の生産能力は世界第1位にランクインしているか、もしくは重要な市場シェアを占めており、中国全体の原薬生産能力は30%近くの割合で世界第1位を占めている。
2013-2017年の間、中国の原薬生産能力は全体的に右肩上がりの傾向を示していたが、2018-2019年の間、環境保護規制や供給側構造改革の進みにつれ、一部の高エネルギー消費量、高環境負荷型、プロセス技術劣後、過剰な原薬生産能力が淘汰され、中国の原薬生産能力が顕著に低下した。2020年、コロナが全世界で猛威を振るう中、原薬市場の成長はやや鈍化を示していたが、中国では、コロナ対策による安定回復や世界経済の回復に伴い、原薬業界は迅速に活気を取り戻し、強い発展の勢いを示してきた。2023年になると、中国の原薬年間生産能力はすでに前年同期比8.91%増の394.9万トンに上昇、中国原薬産業は試練を乗り越え、新風を巻き起こしただけでなく、将来の巨大な発展潜在力を予示している。
4.業界の発展見通しと傾向
ここ数年来、国は供給側構造改革を大いに推進しており、主に監督管理・誘導の方式によって劣後生産能力を次第に淘汰し、原薬企業のモデルチェンジ・グレードアップを奨励するとともに、原薬市場の規範化を強化、違法な値上げと悪意のある販売抑制行為を取り締まる。一方、合理的な環境保護の基準向上、リーダー企業を技術水準向上による競争力強化に導くことによって、規則に違反する高環境負荷型企業の市場離脱を促し、原薬市場の低価格競争者を減少と共に、『欠如医薬品と原薬事業者の価格行動指針』を発表、原薬価格に対する悪意的な価格操作行為を処罰する。生産能力統合、技術向上、合理的な利益維持により、中国の原薬業界の持続的な健康発展に向け、より強固な基礎を築いている。2029年までに中国の化学薬剤原薬業界における一定規模以上企業の市場規模は複合年間成長率4.2%で7400億元以上に上る見込みである。
中国国内の原薬企業はグローバル医薬市場の急速な変化と激しい競争に直面し、技術革新と産業アップグレードをさらに強化する必要がある。国の手厚い支援政策と社会発展に伴う需要増が続く中、中国原薬業界は引き続き高品質、グリーン低炭素化、国際化に向け取り組み、原薬製造大国から製造強国へと堅実に邁進し、グローバル医薬産業の発展に多大な貢献を寄与している。
1.1.3 技術分析
本件プロジェクトは先進的かつ信頼性の高い技術、成熟したプロセスを持ち、製品品質が保障されており、生産条件が温和で清潔であり、環境汚染を招くことなく科学的に環境保護問題を解決し、社会的便益が顕著である。
1.1.4 プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
「『第14次5ヶ年』医薬工業発展計画」では、原薬の製造優位性を強化、市場潜在力が大きく技術要求が高い特色原薬の新品種や、核酸、ポリペプチドなどの新製品カテゴリの発展を推進、特許薬・原薬の医薬品受託製造事業を大いに発展させ、原薬産業のより高いバリューチェーンへの拡張を促進することを呼びかけた。
国家市場監督管理総局が発表した『薬品生産監督管理方法』では、「原薬」の生産許認可、品質管理規範、委託生産、仕入検査について規定しており、原薬企業向け生産許認可管理制度を導入した。
国家発展改革委員会、工業と情報化部が発表した『原薬産業高品質発展推進実施案に関する通知』では、2025年までに高付加価値・高成長性の品種を開発、低炭素・エコ型の技術装備を導入、国際競争力のあるリーダー企業を育成、世界的影響力のある産業クラスターと生産拠点を整備する目標を掲げた。
『品質強国建設要綱』では、医薬品とワクチンの全ライフサイクル管理を強化、臨床に至急入用な、稀な治療薬、医療機器の審査評価手続迅速化を促進し医療機器の審査検査と生物由来製品(ワクチン)の許認可執行能力を高め、漢方薬の審査メカニズムを最適化、化学原薬・漢方薬技術の開発と品質基準のグレードアップを加速、後発医薬品と先発薬、特許薬の品質と治療効果の一致性を高めることを提案した。
「吉林省国民経済と社会発展『第14次5ヶ年計画』及び2035年長期目標要綱」では下記方針を強調した。漢方薬の事業底力を増強し、大品種、新剤形、新投与経路、新適応症状の二次開発と応用化を推進する。バイオ製薬の発展を加速させ、バイオワクチンの国内トップ地位に復帰、遺伝子工学薬と細胞製薬の技術を突破、組み換えタンパク質分野におけるトップ優位性を強固して拡大する。化学薬剤のハイエンド製剤を育成して発展させ、化学原薬の輸出基地を整備する。遼源、通化、白山、梅河口、敦化などの医薬特色産業団地を建設、国家北方小品種薬物生産拠点を整備する。2025年までに、産業規模は2000億元に上る。
「『健康白山2030』計画要綱に関する白山市人民政府弁公室の通知』」では、化学医薬品製剤を大いに発展させ、新創薬、新型製剤の開発と産業化を加速し、特許権存続期間満了前に適時の後発医薬品開発や非特許医薬品の開発を強化する方針を掲げた。化学製薬、現代漢方薬、漢方薬材の仕上げ加工、サプリメントを大いに発展させ、バイオ製薬を育成、特別医療目的用食品産業の発展を推進する。医薬流通業界のモデルチェンジ・アップグレードを推進、流通過程を簡素化、流通市場の集中度を高め、大手医薬品流通企業を育成する。施慧達薬業、長春-白城山薬業などリーダー企業の大手企業化を奨励、吉林省内外で大きな影響力を持つ大手企業企業グループと有名なブランドを育成する。
(2)資源の優位性
白山市域内に鴨緑江、松花江という2つの水系があり、流域面積100平方キロメートル以上の鴨緑江、松花江、渾江などの大きな川が55本ある。有名な白山発電所と雲峰発電所の主要な発電所ダムは白山市に位置し、市通年水資源総量80.25億立方メートルで、1人当たり水資源量は全国平均の2.7倍で、水エネルギー推定資源量106.1万kW、開発可能な水エネルギー資源量は84.2万kWである。
長春-白城山はその独特な緯度、気候、温湿度のため、品質に優れ、品種が独特な長春-白城山の地道漢方薬材が育まれている。霊芝、高山紅景天、刺五加、天麻、月見草などの薬用植物は900種類を超え、全国の重点調査対象となる生薬363種類のうち、長春-白城山区には137種類がある。長春-白城山のヒンターランドに位置する白山市は、薬材種類875種類で、東アジアで最も大きい天然生薬ライブラリとされ、「百草の王」と呼ばれる中国高麗人参のコア産地であり、『WTO原産地規則協定』の保護対象となり、かねてより「高麗人参に関しては、全世界においては中国がトップとなり、中国においては吉林省がトップになり、吉林省においては白山市がトップになる」と呼ばれてきた。毎年野生漢方薬材の採集量は1.5万トンに達し、産出の漢方薬材は天然、エコ、無汚染、薬用価値が高いという特性を有し、経済価値と開発潜在力が巨大である。
(3)産業基礎の優位性
白山市のリーダー企業である施慧達薬業は9年連続で医薬品病院販売額と小売市場販売額が全国1位を占め、「2022年度中国医薬工業企業ベスト100ランキング」にランクインし、「2023年中国医薬工業で最も成長力ある企業」に選出され、独創開発した「レバムロジピンビソプロロール錠」は2期目の臨床試験を完成、省級高質発展特別資金142万元を獲得した。長春-白城山薬業精耆双参カプセルHPLC特徴図譜の構築方法は第4回吉林省特許銀賞を受賞、昇白リハビリテーション経口液など7つの医薬新品種を導入、天力泰新品種「万年青通絡貼」は量産化に移行し、撫松漢方薬の新型製剤であるテルミサルタンアムロジピン二層錠の研究開発に成功した。渾江ハイテク医薬産業団地、明泉薬業漢方薬煎じ薬、華潤和善堂新工場、恒康生物医薬高麗人参シリーズ製品の仕上げ加工などの重点プロジェクトが着実に進められ、医薬健康産業の発展実力がさらに強化された。
(4)人材の優位性
白山市の専門技術人材は6.38万人で、高技能人材は1・3万人で、そのうち、際立った貢献中青年専門家は39人である、抜群の革新人材は13人で、すでに初歩的に規模を備え、分野が比較的完備し、全体的な実力が次第に強化されている人材チームを形成している。市街地には吉林省政府による承認を得た上で、国家教育届出・登録済み高等教育学生募集資格を持つ公立普通大学である長春-白城山職業技術学院がある。同学院は高等教育を主とし、中等職業教育を兼ね、社会向け訓練と職業技能認証教育を同時に展開する多レベル、多部類の高等職業大学である。同学院は、18の高等職業専攻が全国に向け学生を募集、12の中等職業専攻が吉林省に向け学生募集する。学院研修センターには6種類30以上の技能訓練コースと職業資格教育コースが設けられ、年間訓練能力5000人である。
(5)地理的優位性
江源区は白山市の6つの県(市、区)の中心地帯にあたり、遼寧省、河北省、山東省、北京市などから201国道経由で長春-白城山観光景勝地に行く必須の経由地であり、長春龍嘉空港から270キロ、長春-白城山空港から100キロ、通化空港から90キロ、臨江通関地から50キロ、集安通関地から162キロ、丹東通関地から392キロ離れ、物流集散の要地であり、そのサービスは江源自身の経済発展に寄与することにとどまらず、サービス範囲は交通上で江源区が経由地となる周辺県区や各大都市をカバーし、地理的優位性に優れている。
江原区は域内の道路、鉄道は縦横に交錯し、鶴大線、沈長線など5本の国道や省幹線道路が域内を貫通し、渾白線、通化市鴨园鎮-白山市大栗子街道という2本の鉄道幹線が地域内を南北に貫いている。鶴大高速、臨輝高速が開通し、市街地から上記高速道路2本まで車でそれぞれ5分、15分である。江原は白山市内における1時間経済圏を形成していると共に、高速鉄道、空港の相次ぐ竣工につれ、江原区と、北京市・大連市・瀋陽市などから成る3時間経済圏が形成され、諸要素の共有が一層便利になる。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
本件プロジェクトは敷地面積51612.42平方メートル、生産設備を購入、工場棟、危険物専用倉庫、総合棟などの施設を建設する。
1.3 プロジェクト総投資額と資金調達
1.3.1 プロジェクト総投資額
本件プロジェクト総投資額が21404.28万元で、そのうち建設投資額18404.28万元、流動性資金3000万元である。
1.4 財務分析及び社会評価
1.4.1 主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高27000万元、利益4000万元。投資回収期間8年(税引後、建設期間2年含む)。投資利益率18.69%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である。
1.4.2 社会評価
本件プロジェクト竣工後、医薬健康産業の発展レベルと水準の全面的な向上に繋げ、白山市の医薬健康産業の革新アップグレードと生々発展する活況に新たな動力を注ぎ込み、発展を牽引する新動力を培養する。同時に、失業社会人に新たな就業機会を創り出し、現地住民の収入や生活水準に大きな向上をもたらし、現地住民の生活状況と質を大きく変貌させ、地域の新しい経済成長点を生み出し、現地の経済発展に重要な意義を持っている。
1.5 協力方式
合資、協力、独資、その他の方式は面談可能
1.6 外資導入の方式
資金、その他の方式は面談可能
1.7 プロジェクト建設場所
白山市江源区
1.8 プロジェクト進捗状況
企業誘致中。
2. 協力側簡単紹介
2.1 基本状況
名称:白山市江源区商務局
住所:白山市江原区富強2期25号棟
2.2 概況
江源区は吉林省の南東部に当たる。東経126°23′~127°11′、北緯41° 48′~42 °13′の間に位置し、東は撫松県と接し、西は柳河県、八道江区と隣接、南は臨江市と境を接し、北は靖宇県と接している。東西69キロメートル、南北44.4キロメートルで、総面積1348平方キロメートルである。
江源区は習近平新時代中国特色社会主義思想の主導の下で、習近平総書記が吉林省を視察する時の重要な指示精神を全面的に実践し、市委員会の核心的戦略配置と全体的指導方向に焦点を当て、新発展段階に立脚、新発展理念を貫徹、新発展構造を融合、新発展優勢を築き、「生態立区、産業強区、文化興区、特色富区(生態系を後ろ盾に、産業推進による江源区を発展させ、特色を活かして江源区を豊かにする)」を堅持し、「一五一」発展戦略を徹底、在庫の活用、増分の拡大、上位機関からの支援活用を貫き、「6つの安定」活動を徹底実践し、「6つの確保」任務を全面的に遂行し、グリーンモデルチェンジ・高質発展の新たな局面を絶えず切り開き、社会主義現代化第二百年目標の全面建設に向かって全力を尽くして邁進する。
2024年、区全域の経済社会発展の主な目標は地区総生産額7%以上増、一定規模以上企業の工業生産額20%以上増、全社会の固定資産投資8%以上増、社会消費財小売総額8%以上増、都市部と農村部常住住民1人当たり(平均)可処分所得それぞれ6%と8%以上増である。
2.3 連絡方式
連絡先:白山市商務局
連絡係:朱昱沢
連絡電話:+86-439-3367020
+86-15844990231