医薬健康
通化市医薬物流倉庫建設プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1 製品簡単紹介
医薬物流とは、一定の物流設備、技術と物流管理情報システムに依拠し、マーケティングチャンネルの上下流資源を効果的に統合し、医薬品の供給・販売・運送における検査、貯蔵、選別、配送などの作業工程を最適化し、注文処理能力を高め、貨物の選別ミスを低減し、在庫と配送時間を短縮化し、物流コストを削減し、サービスレベルと資金の使用効果を高め、自動化、情報化と利益化を実現することを指す。医薬物流は医薬品、医療機器などの空間移転であり、医薬産業チェーン全体を貫通し、中国医薬業界の流通と発展に大きく寄与している。
本件プロジェクトは遊休している既存の長春-白城山医薬物流センターを活用し、提携先を誘致し、効率的な積卸能力、短期貯蔵能力、低故障率、自動温度湿度制御が可能な知的医薬物流倉庫を建設する。
1.1.2 市場の見通し
(1)医薬物流産業の現状
医薬物流産業チェーンでは、主に業界供給企業、医薬物流企業と医薬品消費端末に関わる。そのうち上流には主に医薬品メーカーと商業貿易企業がある。中流は医薬品の流通を指し、主に医薬品グループ傘下の内部子会社と第三者物流企業に分けられる医薬品物流企業がある。医薬消費端末は医薬品のユーザーを指し、主に全国の各級病院、末端医療機関、小売薬局などを含む。
医薬業界は製薬業界と医薬流通業界に分けられる。そのうち、医薬流通業界は製品の貯蔵と運送に厳しい要求を持っている。長い間、中国の医薬物流分野は国有企業が独占してきた。しかし、二票制(2回請求書制度)、注文量付き注文など政策の実施、診断群別包括支払い方式DRGs、高値医療用消耗品価格管理などの政策が次々と登場するにつれ、バイオ医薬産業組織の特徴と医薬物流業界が次第に変化している。
現在、多くの医薬流通企業は物流計画技術とシステム統合技術を通じ、物流輸送技術と倉庫管理システムを応用し、顧客に全面的な自動化物流ソリューションを提供している。また、医薬物流は新薬開発に刺激され、開発成功後の新薬が市場に進出、物流産業は市場に出回る医薬品の動向に注意しなければならない。医薬物流のサービスモデルは従来のオフライン卸売からオンラインECへと進化が加速している中、物流サービス企業は顧客ニーズに応えられる為、より高効率な倉庫と配送サービスを必要としている。
関連データによると、2022年、中国の医薬物流総額は前年比6.91%増の2988.3億元であった。今後、中国医薬物流は少なくとも8%以上の成長率で成長していく見込みである。
(2)医薬物流倉庫発展動向
ここ数年来、中国政府は医薬物流の構築を次第に推進、国の医薬物流政策は「医薬流通体制の改革加速」から「現代グリーン医薬物流の発展推進」、そして「インターネット+医薬品流通モードの発展推進」までの変化を経験した。『第11次5ヶ年計画』期間中、医薬流通体制の改革加速を提案、「第12次5ヶ年計画」期間中、医薬品流通秩序の規範化、政府主導の省級インターネット医薬品集中購買方法の完備化を提案、『第13次5ヶ年計画』期間中、現代グリーン医薬物流を発展させ、現代医薬品流通の中堅大手企業を育成することを提案、『第14次5ヶ年計画』 期間中、モバイルインターネット、IoTなどの情報技術の医薬品流通分野における応用普及化を推進することを提案した。
集中度が高い海外の医薬ビジネス分野に比べ、中国の医薬ビジネスは集中度が依然として低く、スピード競い、市場開拓に取り込み、成長の機先を制しようとする激しい競争の段階にある。市場シェアから見ると、2021年、中国医薬品卸売企業の主要営業収入トップ100は同期の全国医薬市場総規模の74.5%(前年同期比0.8ポイント増)を占め、同期の全国薬品卸売市場総規模の94.1%を占めた。医薬流通CR3(ビジネス規模上位3社の占める市場シェア)から見ると、米国96%、フランス95%、日本80%となっているのに対し、中国の医薬流通CR3は33.32%に過ぎず、世界の先進地域と大きな差がある。
2022年10月28日、商務部発行の「『第14次5ヶ年計画』 期間中における医薬品流通業界の高質発展促進に関する指導意見」では、『第14次5ヶ年計画』 期間中の全体的な発展目標を描いた。医薬品流通体制におけるメカニズム障害を取り除き、医薬品供給保障サービス能力、流通効率、品質安全を高めることが業界の主旋律となっている。
物流は医療業界サプライチェーンにおける最も基礎的で、最も重要な一環であり、「時間に敏感、温度に敏感、コストに敏感、安全性に敏感」などが特徴である。2021年末までに、中国医薬物流直接報告統計に組み込まれた企業は計412社で、配送品の価値は18393億元に達し、物流センター1253箇所が建設され、倉庫面積約1261万平方メートルである。上記企業は専門運送車両16454台を擁し、そのうち冷蔵車は17.8%、特殊薬品専用車は1.1%を占めている。外部機関の調査集計によると、現在、全国には大型現代医薬物流センターを建設する予定の企業は150社以上ある。
関連データによると、2021年、新型コロナワクチンの集中的な大量発売、バイオ薬剤の規模増などの要因によって中国の医薬コールドチェーン物流費用の総額は200億元を超えた。初歩的な推計によると、2030年に医薬コールドチェーンの物流費用総額は年平均成長率12%以上で600億を超える見込みである。
インターネット、IoT、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなど技術の応用普及化に伴い、医薬サプライチェーンとインターネットが緊密に融合し、企業の境界が破られ、情報技術が産業チェーンをサプライチェーン協同強化に導き、医薬品の全過程にわたる追跡可能性、監視可能性、スケジューリング可能性を実現、医薬品の安全性と品質向上に繋がった。立体自動倉庫、高速選別システム、電子タグ仕分けシステム、WMS倉庫システム、TMS運送管理システムを筆頭にした現代化施設設備は、上下流企業の情報共有と資源統合を実現、サプライチェーンの効率・利益向上に繋がった。
医薬物流業界は中国医薬産業チェーンに不可欠な一環として、中国人々の健康・安全保障にとって重要な意義を持っている。ここ数年来、中国の医薬物流市場の規模拡大が続き、成長率が目立つ。国民の健康意識向上と医療需要増に伴い、医薬物流市場の需要増が続いている。特に高齢化の進展、慢性疾患患者の増加、医療の継続的な需要増に伴い、医薬物流市場はより広い発展空間を迎えてくる。
1.1.3 プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
2021年8月、商務部、国家発展改革委員会など9省庁から共同で発行された『商業貿易物流高質発展特別行動計画(2021-2025年)』では、医薬などの専門化物流の発展支援を提案した。
2021年10月、商務部発行の「『第14次5ヶ年計画』 期間中における医薬品流通業界の高質発展促進に関する指導意見」では、業界構造の更なる最適化、業界集中度の持続的な向上を提案し、第三者医薬物流の発展を奨励、薬品コールドチェーン物流の大規模化、「インターネット+医薬品流通」の体系構築、業界のデジタル化とアップグレードを推進する方針を掲げた。
北東地域の産業移転受け入れをよりよく支援し、産業構造の調整・最適化を推進、北東の全面的振興における新たなブレークスルーの取得を支援するため、2023年2月、国家発展改革委員会による承認を得た上で、四平、遼源、通化という3都市をカバーした「吉西南産業移転受け入れモデル区」が設立された。モデル区は、医薬健康、装備製造、農産物と食品加工、グリーンエネルギー、現代化学工業、現代紡績、文化観光の七大産業を受け入れる予定である。本件プロジェクトは吉西南産業移転受け入れモデル区に位置し、産業移転受け入れ7プロジェクトの一つである医薬健康プロジェクトに属する。
(2)資源の優位性
通化は長春-白城山西南麓に位置し、薬用資源が豊富で、「三大天然薬庫」、「中国高麗人参の郷」と長春-白城山地道生薬主産地という美称を博している。
通化市は高麗人参産地面積5.5万ムー、林下参を36万ムーに拡張、新鮮高麗人参の年間産量1.3万トンである。通化市は通年、五味子、貝母、桔梗、細辛、天麻、龍胆草などの道地生薬20種類以上を栽培し、栽培面積6.43万ムー、年間産量2.5万トンである。
(3)産業基礎の優位性
医薬産業は通化市の支柱産業の一つであり、十分な産業基礎と良好なモデルチェンジの将来性を持っている。通化市は有名な「中国医薬シティー」、「中国高麗人参シティー」との美称を持ち、現在医薬企業104社、既承認薬の承認文書番号3582件、独占品種153個がある。そのうち既承認漢方薬2274種(うち875種が通年製造され)、既承認化学医薬品1286種(うち108種が通年製造され)、既承認バイオ薬剤19種(うち12種が通年製造され)、既承認副材料2種。『基礎医薬品目録』の既承認薬695種で、そのうち既承認漢方薬391種、既承認バイオ薬剤8種、既承認化学医薬品296種である。既承認漢方薬保護品種10種である。『国家医療保険目録』の既承認薬1321種で、そのうち既承認漢方薬720種、既承認化学医薬品555種、既承認バイオ薬剤16種がある。既承認漢方薬の種類数は全国第1位に浮上している。一定規模以上の医薬工業企業72社、医薬上場会社6社で、ハイテク企業は42社に増加し、2022年に市全域において一定規模以上の医薬工業生産額は前年同期比1%増の146.3億元であった。市全域において医療機器メーカーが計36社で、第Ⅰ類医療機器製品73種、第Ⅱ類医療機器製品46種である。
特にバイオ製薬をはじめとする通化県医薬産業は、同県の高質発展を支える重要な支柱産業となっており、東宝薬業、安睿特、通化康縁玉金、安宇生物製品などの企業を筆頭にしたバイオ医薬聚集区、華夏薬業、白山薬業、吉通薬業、金匯薬業を筆頭にした心臓・脳血管系漢方薬生産拠点、振国薬業を筆頭にした抗がん系医薬品生産拠点を形成している。
(4)地理的優位性
通化はユニークな地理的条件を持ち、開放空間が巨大である。北東アジア経済圏の中央地帯、鴨緑江国際経済協力帯の中央部にあたり、国境線長203.5キロで、「一帯一路」建設と陸海コネクティビティを推進する中国の最東端における重要な連結地帯であり、北東東部の大通路における重要な交通センターであり、吉林省の南向き開放の重要な窓口であり、国家級道路対外開放港と国家級鉄道対外開放港を各1箇所を有している。通化市を経由する高速道路が7路線ある。運用中の鉄道網が467キロで、通化市から北京、上海、広州、天津、重慶、台州、大連などに至る航空便が就航している。瀋陽・白河の旅客専用線、吉林集安-遼寧桓仁高速道路と通化空港拡張工事の前段階の諸業務は加速している。
(5)人材の優位性
現在、通化市には国家級重点中等職業学校が3校、省級重点中等職業学校が3校あり、県級教育センターはすべて省重点学校評価に合格し省トップ100校にランクインし、県級教育センターがすべて省級重点学校に選出された吉林省初の地区となっている。ここ数年来、科学的なレイアウトを通じ、職業教育の構造調整と資源統合を絶えず推進し、多元的な学校運営の新アプローチを模索、現代化職業教育ネットワーク体系の整備を絶えず進めている。職業教育の地方的特色が形成され始め、経済社会の発展への奉仕能力が次第に向上している。
通化市政府は北東師範大学、吉林農業大学、中国科学院長春応用化学研究所、通化師範学院など吉林省にある大学・研究機関とテクノロジー戦略連携協定を締結、企業の発展に科学技術によるサポートを提供している。通化市は人材育成などの面について企業に支援力を与え続け、「卒業生万人による企業振興支援計画」「卒業生千人故郷回帰計画」を力強く実施し、企業の大卒生採用を持続的に支援している。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
本件プロジェクトは遊休している既存の長春-白城山医薬物流センターを活用して改造する。
本件プロジェクトは敷地面積300ムー、倉庫センター建築面積23万平方メートルで、吉林省医薬品監督管理局による審査を受け、GSP基準に適合している倉庫建築面積2万平方メートル、冷凍庫建築面積5000平方メートルである。改造内容は団地敷地内の修復、倉庫センターの修繕、機能の改造、コールドチェーン輸送設備の購買、冷凍庫の修繕建設、倉庫の設計・整備、物流のデータ化整備を含む。
1.3 プロジェクト総投資額と資金調達
1.3.1 プロジェクト総投資額
プロジェクト総投資額が50000万元で、そのうち建設投資額45000万元、流動性資金5000万元である。
1.3.2 資金調達
企業の自己金融
1.4財務分析及び社会評価
1.4.1主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高45000万元、利益12000万元。投資回収期間7.0年(税引後、建設期間2年含む)。投資利益率24.0%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である。
1.4.2 社会評価
医薬物流倉庫の建設は医薬品の品質と安全確保、流通効率向上、運営コストダウン、突発状況への対応にとって重要な意義を持つ。本件プロジェクト実施後、通化県医薬企業の成長促進、産業チェーンへの短所補強による同県医薬産業の発展推進に対する支援サービスに繋がり、良好な社会効果を持っている。
1.5 協力方式
共同出資、連携、その他の方式は面談可能
1.6 外資導入の方式
資金
1.7 プロジェクト建設場所
通化県経済開発区。
1.8 プロジェクト進捗状況
プロジェクト提案書編成済み
2. 協力側簡単紹介
2.1基本状況
名称:通化県経済技術協力サービスセンター
住所:通化県快大茂鎮団結路557号
2.2 概況
通化県は長春-白城山南麓に位置し、面積3577平方キロメートルで、15の郷鎮、2つの街道、1箇所の省級経済開発区を管轄、常住人口17.5万人で、そのうち都心部人口7.7万人、農村部人口9.8万人で、かねてより「長春-白城の窓口、遼吉の喉」と呼ばれてきた。「全国文明都市」、「国家衛生県都」、「国家園林県都」、「全国文化先進県」、「中国美しき農村建設模範県」などの栄誉称号を獲得、吉林省初の「国家生態県」、全国第1陣の「国家生態文明建設模範県」に輝き、「全国テクノロジー革新トップ100県」、「全国グリーン発展トップ100県」を3度受賞、県が受賞した国家級栄誉は80件以上である。2023年、地域総生産額93.9億元、一般予算財政総収入9.7億元、地方級財政収入4.2億元で、住民の1人あたり平均可処分所得が25788元であった。
通化県は多点サポート、多業種多業界の並進、多元的な発展を貫き、医薬、食品という2つの支柱産業、鉱物、新材料、装備製造という3つの優位産業を形成している。一定規模以上の工業企業50社を擁し、2023年に一定規模以上の工業企業の総生産額は前期比2.7%増の66.7億元で、全市第1位(通鋼を含まない)に浮上している。東宝グループ、安睿特、安宇、青山実業、四方山鉄鉱、華夏グループ、通石化、振国グループ、宏信研磨材、通天、大泉源酒業、奥禾食品などを筆頭にした工業企業は実力が充実かつ豊かである。東宝グループ製の遺伝子組換えヒトインシュリン、安睿特製の遺伝子組換え人血清アルブミン、振国グループ製の抗がん漢方薬、華夏グループ製の苦碟子注射液、宏信研磨材製のグリーン炭化ケイ素超微粉、一洋元秘-D、通天ワイン、通石化製の石油掘削リグなどの高品質な製品は世界的に有名である。中国最大の高麗人参集散地を全力で建設、長春-白城山高麗人参産業のリーダーブランドを構築している。
2.3 連絡方式
2.3.1協力機構連絡方式
連絡先:通化県経済技術協力サービスセンター
連絡係:韓敏
連絡電話:+86-18626537770
イメール:9375120@qq.com
2.3.2プロジェクト所在市(州)連絡方式
連絡先:通化市商務局
連絡係:王良臣
連絡電話:+86-435-3199017
+86-18643036783
イメール:thsswjtck@126.com