医薬健康
通化市ハイエンド化学医薬製剤産業団地インフラ建設プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1 製品簡単紹介
ハイエンド医薬製剤は従来製剤を基に改良・革新し、治療上の欠陥克服と臨床優位性の実現を第一の目的とし、医薬品の理化学的性質と体内代謝的特徴を変えることによる治療効果向上、毒副反応軽減、投薬コンプライアンス改善によって臨床需要を満たし、患者ベネフィット向上に繋がる製剤である。
中国の医薬品集団購買が常態化した背景で、医薬業界はハイエンドへのアップグレード、差別化競争の段階に突入したことに加え、新創薬開発の投資とリスクが高く、一部の標的を巡る同質化競争が深刻である。そうした中、ハイテク、参入障壁が高いハイエンド製剤は革新の「近道」だといえる。普通の後発医薬品に比べ、ハイエンド製剤の研究開発プロセスと市場参入障壁が高く、競争品が少ない。新創薬に比べ、ハイエンド製剤の研究開発期間が短く、効果的な研究開発コスト削減に繋げる。
本件プロジェクトは通化市の良好な医薬産業の発展基礎を活かし、通化市ハイエンド化学医薬製剤産業団地インフラを建設、バイオ製薬研究開発生産企業30-50社を誘致、地域医薬健康産業発展の重要な動力源として作り上げる予定である。
1.1.2 市場の見通し
(1)中国医薬業界の現状
医薬業界は従来産業と現代産業を結合、第一・二・三次産業が一体に融合した中国国民経済の重要な構成部分である。中国の人々の生活水準向上、医療保健へのニーズ増に伴い、医薬業界はますます公衆と政府からの関心を惹き付け、国民経済においてますます重要な位置を占めている。
人々の生活水準向上、医療への需要増、医薬技術の絶えない進歩、特に高齢化社会への急速な移行につれ、医療機器と薬品に対する必須需要がドンドン増え、医薬市場に新たな活力を注いでいる。また、心臓血管疾患、糖尿病、癌などの慢性疾患罹病率は年々上昇し、関連する医薬品や治療手段への需要増に拍車をかけている。それに加え、人々の健康意識向上に伴い、予防医療と健康管理の需要増が続いている。中国医薬市場規模は全体的に右肩上がりの傾向を示し、2023年中国医薬市場規模は前年同期比8.39%増の17977億元であった。2024年中国医薬市場規模は19312億元に達した。
(2)中国医薬製造業界の現状
集団購買と医療保険価格交渉による影響を受け、2022年以来医薬製造業の収益と利益が下落してきた。中商産業研究院発表の『2024-2029年中国医薬製造業界深度分析及び『第14次5ヶ年』発展機会研究報告』によると、2022年中国医薬製造業における一定規模以上企業の売上高は前年同期比1.6%減の29111.4億元で、利益総額は前年同期比31.8%減の4288.7億元であった。
(3)ハイエンド化学医薬製剤市場分析
高齢化の進展や健康意識の向上につれ、人々の医療に対する需要増が続いている。ハイエンド製剤はその治療効果と高品質の特徴によりますます医師や患者に人気を集めている。また、医療技術の進歩に伴い、ハイエンド製剤の品種と数量もドンドン増加していく。
現在、中国の製剤製造水準は依然として世界水準に遅れており、化学製剤では後発医薬品が主となり、新創薬製剤の割合が低く、中国国内で開発された新創薬製剤は国際的に認可されておらず、国際市場に進出できない。先進国は中国から中間体と原薬を輸入してハイエンド製剤を製造し、先発薬とブランドの優位性を活かして中国に進出、市場を先取りし、中国の医薬産業に強い衝撃を与えた。製剤開発の分野では、ハイエンド製剤は新分子実体と比べ、開発投資が低く、開発期間が短く、臨床リスクが低いなどの優位性を持ち、重大な製品を作るだけでなく、その後発医薬品の開発が困難で、長期的に市場を占領することができる。先進国と比較して、中国の医薬産業は長期にわたって「原薬を重視、製剤を軽視」する奇形な発展モデルが続き、それによる原薬の急成長と製剤の遅れを招き、製品の付加価値が普遍的に低く、競争力が低下し、低レベル普通剤形の後発医薬品にとどまり、一致性評価を通過できない苦境に直面している。先端技術の研究と探求は非常に活発であるものの、ハイエンド製剤の研究分野では殆ど実験室、論文または特許のレベルにとどまり、微細化と体系的な深度ある研究が少なく、技術成熟度が低く、適用性と整合性が悪く、製品化が困難で、大規模化、産業化、国際化が実現できず、国際的な影響力を持つ独創革新的なハイエンド製剤が不足している。
ハイエンド製剤の開発・生産レベルは海内外問わずいずれも重要な地位を占めている。ハイエンド製剤技術は中国医薬革新の重要な突破点となっている中、ハイエンド製剤技術の発展を支援する政策がドンドン打ち出されている。2016年、『第13次5ヶ年計画』では、既にハイエンド製剤の開発を国の発展計画に組み入れ、その後に公布された新しい薬品分類では、新創製剤をⅡ類新創薬に組み入れた。2022年1月、国家工業情報化部など9部門から共同で発行された「『第14次5ヶ年計画』医薬工業発展計画」では、医薬産業化技術難関攻略プロジェクトの実施を提案した。中国製剤産業の水準向上、製剤の品質向上、ハイエンド製剤の開発は、中国製剤工業の堅実発展を促進する為に解決すべき厳しい問題点である。
現在、斉魯製薬、瑞華製薬など多くの中国製薬企業はいずれも新型ハイエンド製剤分野で研究開発への投資を増やし続けており、一連の製剤開発・生産プラットフォームを構築、「ボトルネック」技術を絶えず突破、研究開発成果の急速な産業化を実現している。しかし、中国では長期以来の「原薬を重視、製剤を軽視」する状況が存在し続け、現在、中国製剤業界はまだスタート段階にあり、腫瘍薬、希少疾病薬、小児薬などのハイエンド製剤技術と製品の大半は依然として輸入に依存している。
革新が医薬業界発展の主旋律となり、ハイエンド製剤の技術革新分野への進出企業が増加するにつれ、業界内ではハイエンド製剤技術が中国医薬革新の重要な突破点であり、本土の製薬企業が世界革新に参加する重要な方向の一つであると考えている。
通化市ハイエンド化学医薬製剤産業団地インフラプロジェクトは高品質な化学医薬品製剤の製造団地を建設、インフラと公共サービスシステムの能力を強化、バイオ医薬品の研究開発生産企業を誘致、重大な品種とプロジェクトの実務運用を絶えず加速し、産業のクラスタ発展を推進、プロジェクトの将来性が広い。
1.1.3 プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
2022年1月、国家工業情報化部など9部門から共同で発行された「『第14次5ヶ年計画』医薬工業発展計画」では、重要な核心技術の難関突破を強化、産業化技術レベルを高め、企業によるテクノロジー資源の統合を支援、医薬産業化に向けた技術難関突破プロジェクトを実施する方針を明確に掲げた。化学医薬品技術について、高い選択性、長期徐放などの特徴を持つ複雑な製剤技術(例えば、微小球などの注射剤、徐放、多粒子系などの経口製剤、経皮、インプラント、吸入、口腔溶解フィルム投与系、医薬品機械組み合わせ製品など)分野に重点を置いて取り込む。バイオ薬剤技術については、大規模細胞培養技術、バイオ薬剤投与新方法、新デリバリー技術などの分野に重点を置いて取り込む。
『吉林省国民経済と社会発展の第14次5ヶ年計画と2035年までの長期目標要綱』では、化学医薬品のハイエンド製剤産業を育成、化学原薬輸出基地を建設することを提案した。遼源、通化、白山、梅河口、敦化などの医薬特色産業団地を建設、国家北方小品種薬物生産拠点を整備する。2025年までに、産業規模は2000億元に上る。
北東地域の産業移転受け入れをよりよく支援し、産業構造の調整・最適化を推進、北東の全面的振興における新たなブレークスルーの取得を支援するため、2023年2月、国家発展改革委員会による承認を得た上で、四平、遼源、通化という3都市をカバーした「吉西南産業移転受け入れモデル区」が設立された。モデル区は、医薬健康、装備製造、農産物と食品加工、グリーンエネルギー、現代化学工業、現代紡績、文化観光の七大産業を受け入れる予定である。本件プロジェクトは吉西南産業移転受け入れモデル区に位置し、産業移転受け入れ7プロジェクトの一つである医薬健康プロジェクトに属する。
通化医薬ハイテク産業開発区は産業誘致環境に優れ、『企業投資発展の加速に関する実施意見』などの革新環境、サービス体系、テクノロジー金融、人材導入、ハイテク企業の発展など35項目をカバーする一連の支援政策を次々と発表し、限度額2.5億元の医薬産業投資誘導基金を設立している。『通化医薬ハイテク区の企業誘致・人材誘致に関する若干の政策』では、西区の医薬健康科創園を活用して健康食品産業団地を建設し、『医薬健康科創園、健康食品産業団地入居細則』を発表し、『テクノロジー革新による企業の高質発展促進に関する若干の政策』を研究して制定し、特別ファンド1000万元を設立し、企業による技術研究開発に資金などによる支援を与える。
(2)資源の優位性
通化は長春-白城山西南麓に位置し、薬用資源が豊富で、「三大天然薬庫」、「中国高麗人参の郷」と長春-白城山地道生薬主産地という美称を博している。
通化市は高麗人参産地面積5.5万ムー、林下参を36万ムーに拡張、新鮮高麗人参の年間産量1.3万トンである。通化市は通年、五味子、貝母、桔梗、細辛、天麻、龍胆草などの道地生薬20種類以上を栽培し、栽培面積6.43万ムー、年間産量2.5万トンである。
(3)産業基礎の優位性
医薬産業は通化市の支柱産業の一つであり、十分な産業基礎と良好なモデルチェンジの将来性を持っている。通化市は有名な「中国医薬シティー」、「中国高麗人参シティー」との美称を持ち、現在医薬企業104社、既承認薬の承認文書番号3582件、独占品種153個がある。そのうち既承認漢方薬2274種(うち875種が通年製造され)、既承認化学医薬品1286種(うち108種が通年製造され)、既承認バイオ薬剤19種(うち12種が通年製造され)、既承認副材料2種。『基礎医薬品目録』の既承認薬695種で、そのうち既承認漢方薬391種、既承認バイオ薬剤8種、既承認化学医薬品296種である。既承認漢方薬保護品種10種である。『国家医療保険目録』の既承認薬1321種で、そのうち既承認漢方薬720種、既承認化学医薬品555種、既承認バイオ薬剤16種がある。既承認漢方薬の種類数は全国第1位に浮上している。
(4)地理的優位性
通化はユニークな地理的条件を持ち、開放空間が巨大である。北東アジア経済圏の中央地帯、鴨緑江国際経済協力帯の中央部にあたり、国境線長203.5キロで、「一帯一路」建設と陸海コネクティビティを推進する中国の最東端における重要な連結地帯であり、北東東部の大通路における重要な交通センターであり、吉林省の南向き開放の重要な窓口であり、国家級道路対外開放港と国家級鉄道対外開放港を各1箇所を有している。通化市を経由する高速道路が7路線ある。運用中の鉄道網が467キロで、通化市から北京、上海、広州、天津、重慶、台州、大連などに至る航空便が就航している。瀋陽から白河までの旅客専用線、吉林集安-遼寧桓仁高速道路と通化空港拡張工事の前段階の諸業務は加速している。
(5)人材の優位性
現在、通化市には国家級重点中等職業学校が3校、省級重点中等職業学校が3校あり、県級教育センターはすべて省重点学校評価に合格し省トップ100校にランクインし、県級教育センターがすべて省級重点学校に選出された吉林省初の地区となっている。ここ数年来、科学的なレイアウトを通じ、職業教育の構造調整と資源統合を絶えず推進し、多元的な学校運営の新アプローチを模索、現代化職業教育ネットワーク体系の整備を絶えず進めている。職業教育の地方的特色が形成され始め、経済社会の発展への奉仕能力が次第に向上している。
通化市政府は北東師範大学、吉林農業大学、中国科学院長春応用化学研究所、通化師範学院など吉林省にある大学・研究機関とテクノロジー戦略連携協定を締結、企業の発展に科学技術によるサポートを提供している。通化市は人材育成などの面について企業に支援力を与え続け、「卒業生万人による企業振興支援計画」「卒業生千人故郷回帰計画」を力強く実施し、企業の大卒生採用を持続的に支援している。
1.2プロジェクト建設内容及び規模
本件プロジェクトは総敷地面積130000平方メートル、総建築面積160000平方メートルで、化学医薬製剤GMPの生産工場棟12棟、ベンチスケール研究棟1棟、パイロット試験棟1棟、研究開発品質検査センター1棟、総合サービスセンター1棟を建設、食堂、宿舎、消防、環境保護、汚水処理、危険化学物質倉庫などのインフラを併設する予定である。
1.3プロジェクト総投資額と資金調達
1.3.1プロジェクト総投資額
プロジェクト総投資額が50000万元で、そのうち建設投資額49000万元、流動性資金1000万元である。
1.3.2資金調達
企業の自己金融
1.4財務分析及び社会評価
1.4.1主な財務指標
プロジェクト量産後、年間売上高12000万元、利益8000万元。投資回収期間8.3年(税引後、建設期間2年含む)。投資利益率16.0%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である。
1.4.2社会評価
本件プロジェクトの建設を通じ、通化市の化学医薬品製剤産業の受容能力を完備させ、医薬企業の生産コストダウン、資源の使用効率向上、良好な発展環境づくり、医薬産業基地のクラスター能力向上にとって重要な戦略的意義を持ち、良好な社会効果を有する。
1.5協力方式
共同出資、連携、その他の方式は面談可能
1.6外資導入の方式
資金その他。
1.7プロジェクト建設場所
通化医薬ハイテク産業開発区
1.8プロジェクト進捗状況
プロジェクト提案書編成済み
2. 協力側簡単紹介
2.1基本状況
名称:通化医薬ハイテク産業開発区商務局
住所:通化市経開環路1568号
2.2概況
医薬通化ハイテク産業開発区(以下、「通化医薬ハイテク区」と略称する)の前身は2005年7月に設立された吉林通化経済開発区である。2011年8月、 欧宝体育の承認を得、吉林通化経済開発区と通化医薬ハイテク産業開発区を統合して「通化医薬ハイテク産業開発区」に改名した。2013年12月、国務院の承認を得て国家級医薬ハイテク区に昇進した。通化医薬ハイテク産業開発区は査定計画面積12.7082平方キロ、行政区画面積57.3平方キロで、中長期の計画面積57平方キロで、行政区画面積107平方キロである。
通化医薬ハイテク産業開発区は現在、医薬企業43社で、万通薬業、修正薬業などの7社がグループ会社として成長しており、通化東宝、通化金馬薬業が上場会社であり、9社の医薬企業が国家級ハイテク企業として再認定され、9社が省級認証を受けた企業技術センターとなり、うち3社が国家級技術センターとして認定されている。通化「大交通」戦略の実施に伴い、通化-瀋陽、通化-丹東、通化-長春、通化-集安、梅河口-瀋陽高速道路と通化-丹東鉄道、通化空港、通化陸上対外開放港などの「6路1空港1港」の工事が次々と竣工し、通化が環渤海「2時間経済圏」に収められ、特に遼寧・吉林両省の鴨緑江経済協力先行区である「通化-丹東経済帯」の実施に伴い、通化が遼寧沿海経済帯、瀋陽経済区、長吉図開発開放先導区の重要な連絡地帯となり、通化医薬ハイテク区は極めて強い後発優位を持っている。
2.3連絡方式
2.3.1協力機構連絡方式
連絡先:通化医薬ハイテク産業開発区商務局
連絡係:陳奎宏、崔峰
連絡電話:+86-435-3265515
+86-13944545515
+86-435-3322595
+86-13732858668
イメール:thyygxq@126.com
2.3.2プロジェクト所在市(州)連絡方式
連絡先:通化市商務局
連絡係:王良臣
連絡電話:+86-435-3199017
+86-18643036783
イメール:thsswjtck@126.com