新材料
長春市年産2000トンリチウムイオン電池正極材料プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1. プロジェクト簡単紹介
リチウムイオン電池の三元正極材料は、一般にNCM(Nikel Cobalt Manganese)と略称され、現代電気自動車やその他の高性能電池応用において最も重要な材料の一つである。この材料は主にニッケル、コバルト、マンガンからなり、3種類の金属の割合によって異なり、主にNCM111、NCM523、NCM622、NCM811などのシリーズに分けられる。NCM811などの高エネルギー密度と長いサイクル寿命のため、現在の市場と技術研究のホットスポットとなっている。
1.1.2 市場の見通し
(1)リチウムイオン電池の三元正極材料の優位性
高ニッケル三元正極材料(NCM811)中のニッケル含有量は80%を超え、コバルトとマンガンの含有量はそれぞれ10%程度である。ニッケル高含有量は材料の比容量を著しく高め、より高いエネルギー密度を備えさせることで、電気自動車の航続距離を延長させる。コバルトとマンガンは材料中で構造の安定と安全性アップの役割を果たす。NCM811の主なメリットは高容量と高エネルギー密度であるが、材料の安定性と一貫性を確保するために、その製造過程におけるプロセスの制御要求は非常に厳しい。
NCM622とNCM523はニッケル含有量において相対的に低いが、ニッケル、コバルト、マンガンの割合を最適化することにより、良好な総合性能を達成した。NCM622中のニッケル、コバルト、マンガンの割合は6:2:2で、比較的に高いエネルギー密度と良好な循環性能を備えている、NCM523中のニッケル、コバルト、マンガンの割合は5:2:3であり、安定性と経済性を兼ね備えており、ミドル・ハイエンドの消費電子と一部のエネルギー貯蔵設備に広く応用されている。
三元正極材料のメリットは、その高エネルギー密度だけでなく、良好なサイクル安定性と長い使用寿命にある。安定剤の添加と製造プロセスの最適化により、材料の熱安定性と安全性をさらに向上させ、高エネルギー密度での安全な使用を確保することができる。
高ニッケル三元正極材料を生産するには、金属元素の割合と純度を厳格に制御する必要があり、先進的な生産技術と精密な設備は製品の品質を確保するキーポイントである。高ニッケル三元正極材料の製造過程は混合物、コーティング、ロール圧、高温焼結などの工程を含み、各工程は技術条件と設備精度に高い要求がある。
(2)リチウムイオン電池市場国内外市場
国内外市場の現状:リチウムイオン電池市場の急速な発展は主に電気自動車産業の爆発的な成長の恩恵を受けている。データによると、2022年の世界リチウムイオン電池市場規模は700億ドルに達し、そのうち高ニッケル三元正極材料市場は重要なシェアを占め、70億ドルに達した。2024年、世界の高ニッケル三元正極材料市場は約100億ドルを突破し、年平均成長率は15%を超えた。中国は世界最大の電気自動車市場として、高ニッケル三元正極材料への需要も急速に伸びており、2022年の中国市場の需要は約30億ドル、2024年には約50億ドルに達した。
国際市場では、欧米やアジアの主要経済体が新エネルギー産業の発展を積極的に推進している。米国、欧州、日本などの政府は、電気自動車や再生可能エネルギーの応用を促進するための複数のインセンティブ政策を打ち出し、リチウムイオン電池とその材料市場の急速な成長を推進している。国内市場では、中国政府は新エネルギー産業の発展を非常に重視し、電気自動車の購入補助金、充電施設の建設補助金など、新エネルギー自動車とエネルギー貯蔵産業の発展を支援する複数の政策を打ち出した。これらの政策は、高ニッケル三元正極材料に対する国内市場の需要を大いに促進した。
市場需要予測:歴史データと市場動向分析によると、今後数年間、世界の高ニッケル三元正極材料市場の需要は引き続き高成長を維持する。2026年までに、世界市場の需要量は150億ドルに達し、中国市場の需要量は70億ドルに達する見通しである。電気自動車の普及とエネルギー貯蔵市場の急速な発展が主な駆動力である。
電気自動車市場の急速な成長は、主に技術進歩と政策支援のおかげである。バッテリー技術の進歩に伴い、電気自動車の航続距離と充電速度は絶えず向上し、ユーザーの受け入れ度と市場浸透率は著しく向上した。同時に、各国政府の新エネルギー自動車に対する政策支持は、自動車購入補助金、税収優遇、充電インフラ整備を含め、電気自動車市場の発展を大きく推進した。
エネルギー貯蔵市場では、再生可能エネルギーの割合が高まるにつれて、電力網のエネルギー貯蔵システムに対する需要が日増しに増えている。高ニッケル三元正極材料はその高エネルギー密度と長いサイクル寿命により、エネルギー貯蔵システムの理想的な選択となっている。今後数年、電力網のエネルギー貯蔵と家庭のエネルギー貯蔵システムの普及に伴い、高ニッケル三元正極材料の市場需要はさらに増えるだろう。
1.1.3技術分析
本プロジェクトは共沈法を用いて高ニッケル三元正極材料を製造し、材料は優れた性能を有する。
(1)高エネルギー密度:高ニッケル三元正極材料は比較的に高い比容量を有し、電池のエネルギー密度を顕著に高めることができる。材料の微細構造と成分比を最適化することにより、材料のエネルギー密度と放電容量をさらに高めることができる。
(2)長サイクル寿命:最適化された材料構造と成分設計により、高ニッケル三元正極材料は充放電サイクル中に高い安定性と一致性を維持する。安定剤の添加と製造プロセスの最適化により、材料のサイクル寿命を効果的に延長することができる。
(3)優れた安全性能:安定剤の添加と製造プロセスの最適化により、材料の熱安定性と安全性を向上させる。先進的な生産プロセスと厳格な品質制御を採用し、高エネルギー密度での材料の安全な使用を確保する。
(4)低コスト:生産プロセスの最適化と生産効率の向上により、材料の生産コストを下げる。規模化生産と自動化設備を採用し、生産効率を高め、生産コストを下げる。
(5)環境にやさしい:生産過程で環境保全技術とグリーン技術を採用し、環境への影響を減らす。生産プロセスと設備の最適化を通じて、エネルギー利用効率を高め、排気ガス、廃水、固体廃棄物の排出を減らす。
1.1.4プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
国は「自動車業界の安定成長活動方案(2023〜2024年)」を公布し、自動車業界の持続的で健全な発展を安定させ、促進することを目的としている。方案によると、政府は一連の措置をとり、政策、市場、技術など多くの角度から自動車産業の安定成長を全面的に推進させる。
国と地方政府は新エネルギー産業の発展を高度に重視し、税収減免、財政補助金、技術研究開発支援などの一連の支援策と優遇措置を打ち出した。吉林省と長春市政府も新エネルギー産業の発展を積極的に推進し、プロジェクトに良好な政策環境を提供した。
国務院と工業と情報化部などの部門は相次いで『新エネルギー自動車産業発展計画』『電気自動車の普及・応用の加速に関する指導意見』などの政策文書を公布し、新エネルギー自動車産業の発展方向と目標を明確にした。地方レベルでは、吉林省政府と長春市政府は新エネルギー自動車購入補助金、充電施設建設補助金、電気自動車税収優遇などの一連の支援政策を打ち出し、プロジェクトに良好な政策支援を提供した。
国家発展改革委員会、国家エネルギー局は共同で『新型エネルギー貯蔵の発展の加速推進に関する指導意見』を印刷、配布し、次のように明確に指摘した。エネルギー貯蔵技術の多元化を堅持し、リチウムイオン電池などの比較的成熟した新型エネルギー貯蔵技術のコストの持続的な低下と商業化規模の応用を推進する。2025年までに、新型エネルギー貯蔵能力の商業化初期から規模化発展への転換を実現し、設備規模は3000万キロワット以上に達する。2030年までに新型エネルギー貯蔵の全面的な市場化発展を実現する。
(2)産業の優位性
長春市は中国における重要な自動車生産基地であり、多くの自動車製造企業と関連産業を持ち、リチウムイオン電池とその材料の発展に良好な産業基盤と市場需要を提供している。ここには一汽グループなど多くの大手自動車製造企業と多くの自動車部品サプライヤーがあり、完備した自動車産業チェーンを形成している。新エネルギー自動車産業の発展には大量のリチウムイオン電池とその材料が必要であり、高ニッケル三元正極材料に広い市場需要を提供している。同時に、長春市の交通輸送ネットワークが発達し、便利な道路、鉄道、航空輸送条件を持ち、プロジェクトの原材料供給と製品販売に良好な物流保障を提供している。
(3)人材の優位性
長春はキャンパス内に位置している都市で、国家級重点実験室が15カ所、中国科学院光機物理所、中国科学院応化所、中国科学院地理所など83個の長春における独立科学研究機構、吉林大学、東北師範大学など49校の高等大学を持っている。長春北部の核心区として、開発区は積極的に産学研協力プラットフォームを構築し、多くの高素質人材を誘致し、企業を主体とし、市場を導きとし、産学研用を結合した技術革新システムを構築し、長春の42校の大学と地域内の人材が勢いよく集まり、都市の発展のために知恵と力を結集した。また、寛城区政府はすでに吉林都市職業技術学院、長春電子科学技術学院、吉林建築科学技術学院と人材協力枠組み協定を締結し、企業の発展に人材支援を提供している。
(4)地理的優位性
寛城区の地理的位置は優越しており、長春市北部新都市の核心的な奥地であり、哈大一級軸線と長吉図先導区の主軸線の交差点に位置している。京哈鉄道は寛城を鉄南と鉄北の2つの部分に分け、鉄南地区には大規模な商業貿易、卸売企業が集まり、長春市で最もにぎやかな商圏の1つである。鉄北地区は長春の古い工業基地であり、強い工業基礎と産業優位性を持っている。また、寛城区の東は長春新区、西は軌道客車株式会社などの大型中央企業と隣り合っている。全市の計画配置中の西部産業回廊の核心地帯にあり、将来の産業発展の上で恵まれた優位性を持っている。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
1.2.2建设规模
年産2000トンリチウム電池正極材料。
1.2.2 建設内容
プロジェクトの敷地面積は約3万平方メートル、建築面積は約2万平方メートルで、主に生産工場、研究センター、事務棟および関連施設を建設する。同時に、先端生産設備と検測機器を購入する。
1.3プロジェクト総投資額と資金調達
プロジェクト総投資額は35000万元、その内、建設投資額28000万元。
1.4 財務分析及び社会評価
1.4.1 主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高は21220万元、利益7000万元、投資回収期間7年(税引後、建設期間2年含む)、投資利益率20%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である
1.4.2 社会評価
1.技術リード:高ニッケル三元正極材料の研究開発と生産は新エネルギー技術の進歩と応用を促進する。プロジェクトは導入と自主研究開発を結合する方式を通じて、高ニッケル三元正極材料の核心技術を掌握し、リチウムイオン電池技術の発展を推進した。技術革新と応用研究を通じて、製品の技術含有量と市場競争力を高め、新エネルギー自動車とエネルギー貯蔵産業の発展を推進する。プロジェクトの成功的な実施は新エネルギー技術の進歩と応用に有力な支持を提供する。
2.省エネ・排出削減:プロジェクトは先進的な生産技術と環境保全措置を採用し、エネルギー消費と汚染排出を効果的に削減する。生産プロセスと設備の最適化を通じて、エネルギー利用効率を高め、排気ガス、廃水と固体廃棄物の排出を減らし、国の省エネ・排出削減の政策要求に合致する。プロジェクトの成功的な実施は新エネルギー自動車とエネルギー貯蔵システムの性能向上に役立ち、新エネルギー技術の普及応用を推進し、伝統的なエネルギーへの依存を減らし、温室効果ガスの排出を下げ、省エネ・排出削減と環境保全を促進する。
3.雇用配置:プロジェクトが完成後、100個の雇用口を提供でき、現地の経済発展と社会安定に役立つ。雇用機会と職業訓練の提供を通じて、従業員の職業技能と総合素質を高め、現地の経済発展と社会安定を促進する。プロジェクトの成功的な実施は現地住民に良好な就業機会と職業発展プラットフォームを提供し、従業員の生活の質と仕事の積極性を高め、社会の調和と経済の繁栄を促進する。
4.持続可能な発展:高ニッケル三元正極材料はリチウムイオン電池の性能向上に役立ち、新エネルギー自動車とエネルギー貯蔵産業の発展を推進し、国家の持続可能な発展の戦略目標に合致する。プロジェクトは技術革新と製品最適化を通じて、リチウムイオン電池のエネルギー密度とサイクル寿命を高め、新エネルギー自動車とエネルギー貯蔵システムの普及応用を推進し、社会の持続可能な発展を促進する。
1.5 協力方式
合弁、協力
1.6 外資導入の方式
資金、設備、技術
1.7 プロジェクト建設場所
長春寛城経済開発区
1.8 プロジェクト進捗状況
プロジェクト協力計画書編成済み
2、協力側簡単紹介
2.1 基本状況
名称:長春市寛城区人民政府
住所:長春市北人民大街3366号
2.2概況
寛城区は長春市の北部に位置し、長春市の5つの主要都市の1つであり、吉林省委員会省政府は管轄区内に位置し、管轄面積は約166平方キロ、人口は66.9万人、10街1鎮、1つの省級開発区を管轄している。長春の重要な工業積載地と物流集積区として、優れた産業基礎と資源の素質を持ち、比較的強い工業基礎と産業優位性を持っている。寛城区の都市空間構造と産業発展基礎に基づいて、「一核リード」「二区融合」「五業連動」の発展戦略配置を構築する。
寛城区は地域の優位性を発揮し、長春北部現代核心区の建設のリードを堅持し、メイン市街地と開発区の融合発展を推進する。地域と土地資源の優位性をめぐって先進装備製造業、現代サービス業、農副産物加工業、循環経済産業、文化観光業の「五業」連動発展を推進する。先進装備製造業:軌道交通装備製造業及び自動車部品加工業を際立たせて発展させる。軌道交通装備製造業は、中車長客株式と一汽グループの「二大ホスト工場」を先頭に、技術がリードし、組み合わせが完備し、チェーンが完備した業界競争力のある軌道装備産業基地と自動車部品産業クラスターを建設する。現代サービス業:生産生活性物流業と現代商業貿易業を際立たせて発展させる。商品卸売、チェーン経営、倉庫配送、ハイエンドビジネス、文化創意、金融サービスなどの新型サービス業態の導入に力を入れ、現代商業貿易サービス業の核心区を構築する。農業副産物加工業:寛城近接農業副産物の主産地と取引市場などの優位性を発揮し、レジャー食品、グリーン有機食品の育成・発展を重点とし、全省をリードする現代農業産業化基地を構築する。循環経済産業:国家級資源循環利用基地に依拠し、廃棄自動車資源循環利用を核心とし、複合型再生資源循環利用産業チェーンを発展させ、再生資源回収、分解、加工、利用を一体とした資源循環利用産業団地を構築し、長春に立脚し、全省に放射する資源循環利用センターを構築する。文化観光業:歴史文化街区の保護利用と伊通河沿いのグリーン回廊の開発を重点的に推進する。文化と創意産業、レジャー文化と商業貿易観光産業の導入に力を入れる。北伊通河西岸のインフラ施設、景観施設の建設を推進し、伊通河のグリーン生態発展帯を水岸新区に作り上げる。
第十四次五カ年計画期間中、寛城区は中国一汽、中車長客の「六つの回帰」の重要な積載地として、全市の産業向上、プロジェクト集約の重要な使命を担っている。
2.3連絡方式:
連絡先:寛城区商務局
連絡係:麻新宇
電話:+86-431—89990274
イメール:174741967@qq.com
郵便番号:130000
プロジェクト所在市(州)連絡方式
連絡先:長春市合作交流弁公室
連絡係:張俊傑
連絡電話:+86-15704317930
ファクス:+86-431-82700590
イメール:xmc82763933@163.com