炭素繊維産業
松原市炭素繊維生産加工プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1. プロジェクト簡単紹介
炭素繊維は主に炭素元素から構成され、耐高温、耐摩擦、熱伝導及び耐腐食などの特性を有し、外形は繊維状を呈し、柔軟で、各種の織物に加工することができ、その黒鉛微結晶構造は繊維軸に沿って優先配向しているため、繊維軸方向に沿って高い強度と係数を有する。炭素繊維は密度が小さいため、比強度と比弾性率が高い。炭素繊維の主な用途は補強材として樹脂、金属、セラミックス及び炭素などと複合し、先進的な複合材を製造することである。炭素繊維強化エポキシ樹脂複合材料は、その比強度及び比弾性率が従来のエンジニアリング材料の中で最も高い。
1.1.2 市場の見通し
(1)世界の炭素繊維市場
2023年の世界の炭素繊維需要は115000トンで、2022年の135000トンより14.8%ダウンし、近年の10%以上の成長法則を打ち破った。1995年以来、世界で初めて需要のマイナス成長が現れ、中国企業にとっては前例のない経験とチャレンジである。
2023年の応用市場の構造は大きく変化し、数年前と比べて、風力発電市場の炭素繊維に対する需要は軟調である。2021年以降、航空宇宙軍需産業市場は急速に回復し、再びリーディング応用の位置に戻った。
スポーツレジャー市場はここ数年、ジェットコースターのような変化を見せている。歴史的に、この市場はずっと安定した成長を維持しており、2022年には前年同時期比29.7%成長した。市場に刺激された大衆消費の要素を受けて、西洋側の流通業者は在庫を蓄積している。2023年初め、前期に大量の在庫が蓄積されたことで販売量が大幅にダウンし、2023年のスポーツレジャーでの応用量は前年同時期比21.7%ダウンした。
2023年には圧力容器市場はある程度成長したが、2022年には炭素繊維の販売が好調だったため、各メーカーは当時一定の在庫を蓄積しており、2023年には炭素繊維の供給が十分で、在庫消費は一部の新規需要を満たした。2023年の世界の炭素繊維の販売金額は38.1億ドルで、2022年の43.85億ドルに比べ13%ダウンし、需要数が減少したほか、価格も前年より大幅にダウンした。
(2)国内炭素繊維市場
2023年の中国の炭素繊維の総需要は69075トンで、2022年の74429トンに比べて、前年同時期比7.2%減少した。そのうち、輸入量は16075トン(総需要での割合23.3%、2022年比較45.4%減少)、国産繊維の供給量は53000トン(総需要での割合76.7%、2022年比較17.8%アップ、2022年比較53.8%成長率、2023年は深刻な純化)である。
中国市場の需要の年間成長率:2015(13.4%)、2016(16.5%)、2017(20%)、2018(32%)、2019(22%)、2020(29%)、2021(27.7%)、2022(19.3%)、2023(-7.2%)。市場の転換点がすでに現れた。
現在の炭素繊維応用分野において、中国の優位性応用業界はスポーツレジャー、炭素/炭素複合材(耐火保温フェルトを含む)、建築、電子電気、航空宇宙軍需産業と圧力容器は急速に発展し、国際との差は大幅に縮小したが、主力需要の商用航空応用は始まったばかりである。風力発電(中国の総需要17000トンのうち、海外ユーザーを差し引いたもので、国内風力発電メーカーの使用量のみ統計)は国際と依然として大きな差がある、自動車とハイブリッドモデルは中国の新エネルギー自動車の急速な発展によって応用の潜在力が巨大になる。
(3)吉林省炭素繊維市場
2023年末現在、全省は炭素繊維原糸の年間生産能力16万トン、炭素糸の年間生産能力4.9万トン、複合材料生産能力2.2万トンを有し、原糸、炭素繊維の生産能力はいずれも国内第1位に位置している。製品規格は1K、3K、6K、12K、24K、48Kなどの大小トウの多品種をカバーし、一部の製品の性能はT700級のレベルに達している。2023年の吉林省の炭素繊維生産量は11.1万トンで、前年同時期比39%増加した。炭素繊維の全産業チェーンの工業総生産額は101.8億元に達し、前年同時期比29.8%増加した。吉林化学繊維を先導とする吉林市の炭素繊維産業は、すでに国内三大炭素繊維産業集積地の一つとなり、現在、国内最大の炭素繊維原糸生産基地と重要な低コスト、大糸炭素繊維生産基地となり、産業集積優位性が初歩的に現れた。
現在、吉林省では「プロピレン−アクリロニトリル−ポリアクリロニトリル(PAN)基炭素繊維フィラメント−炭素繊維−炭素繊維複合材料及び下流製品」の比較的完全な産業チェーンが形成された。原糸、炭素糸製品の規格は1Kから50Kなどの大小トウ11種類をカバーし、そのうち12K、25K、35Kの炭素繊維はハイエンドプリプレグ、プレハブ分野の全カバーを実現した。省内の重点下流応用企業の吉林国興復材会社、吉林華陽、長春致遠新エネルギー装備、一汽グループ、中車長客、長光宇航、林依華漁具などであり、風力発電ブレード、圧力容器、自動車及び軌道交通軽量化、航空宇宙、武器装備、炭素/炭素復材、スポーツレジャーなどの多分野端末製品に関連している。
総じて言えば、吉林省の炭素繊維産業は産業配置、発展傾向、重点企業などの面で積極的な発展態勢を示している。地方経済の発展を推進し、産業競争力を高めることに重要な意義がある。
(4)炭素繊維産業の将来性予測
ここ数年来、国及び地方政府は炭素繊維及び炭素繊維複合材料に関する一連の産業支援策を打ち出し、炭素繊維業界の盛んな発展を推進し、炭素繊維材料の重点品種における核心的生産と応用技術を持続的に導き、さらに向上させ、炭素繊維及びその複合材料の開発を促進し、業界の産業化レベルを高め、生産能力の向上を推進し、炭素繊維材料の応用分野をさらに開拓した。
現在、松原市政府は炭素繊維産業の発展を高度に重視し、炭素繊維全産業チェーンの省内配置を加速させ、負荷で電源を動かし、革新チェーンで産業チェーンを動かす循環相互促進モデルを早期に形成する。本プロジェクトは乾安県化学工業団地に建設され、主に炭素繊維シリーズ製品を生産し、製造した先進的な複合材料は、航空宇宙、軍需産業、風力扇葉、医療、文体用品などの分野に広く応用され、発展の見通しが広い。
1.1.3 プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
炭素繊維は軍民両用材料であり、ハイエンド炭素繊維の自力更生が唯一の道である。そのため、高性能炭素繊維の国産自主化生産が唯一の道である。ここ数年来、中国は炭素繊維産業の発展を促進するために多くの新しい政策を打ち出し、そして炭素繊維産業のために特別支援基金を組み合わせ始めた。
2021年3月、『国民経済と社会発展第14次5カ年計画と2035年ビジョン目標要綱』を発表し、要綱の中でハイエンド新材料分野で炭素繊維などの材料の研究開発応用を強化することを提案し、各地政府は関連策を集中的に打ち出して炭素繊維産業の発展をサポートした。
2021年9月、科学技術部は炭素繊維とその複合材料国家技術革新センターの設立を推進し、政府の指導の下で、炭素繊維と複合材料企業、大学、科学研究院所を連合し、全産業チェーン共通技術を突破し、国家の長期的な発展と産業安全に関わる重要な技術ボトルネックを突破し、炭素繊維と複合材料企業の技術、技術装備と製品革新の実現を支持する。
(2)産業の優位性
乾安県が丹念に作り上げた企業誘致とプロジェクト建設のプラットフォームには、乾安工業団地、大遐工業団地、賛字工業団地、安字化学工業団地の四大団地が計画され、機械製造加工、農副産物精密加工、クリーンエネルギー、生物医薬、新興材料と現代サービス業の六大主導産業を初歩的に確立した。良質なプロジェクトに対して、開発区は一事一議の柔軟な措置をとり、企業に最大にサポートする。乾安天順新エネルギー装備製造産業団地プロジェクトは主にファンブレード、タワー筒、新エネルギー部品などのファン装備を生産し、製品の販売面で比較的安定したルートがある。
(3)原・補助材料の付随優位性
吉林省は国家級石油化学工業産業基地であり、現在は石油化学工業、合成材料、化学肥料、精密化学工業及び生物化学工業などを含む完全な生産システムが形成されている。現在、吉林省は国内最大のアクリロニトリル生産基地である中石油吉林石化公司を有し、年間43万トンのアクリロニトリル生産能力を形成し、次の炭素繊維原糸の生産に十分な原料保障を提供している。同時に、吉林省内の多くの化学工業企業は十分な補助化学原料(例えばシリコーン補助剤、糊付け剤、樹脂など)を提供することができ、炭素繊維産業の発展に良好な補助付随条件を提供した。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
1.2.1 建設規模
年間12000トンの炭素繊維シリーズ製品を生産する。
1.2.2 建設内容
プロジェクトの敷地面積は200000平方メートル、建築面積は135400平方メートルで、主に生産現場、原料倉庫、完成品倉庫、実験総合棟などの関連補助施設を建設する。
1.3プロジェクト総投資額と資金調達
プロジェクト総投資額は50000万元、その内、建設投資額40000万元。
1.4 財務分析及び社会評価
1.4.1 主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高は33650万元、利益11120万元、投資回収期間6.5年(税引後、建設期間2年含む)、投資利益率21%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である
1.4.2 社会評価
プロジェクトの建設は乾安県の市場需要に合致し、乾安産業構造のモデルチェンジとグレードアップを力強く推進し、また優れた政策支持を受けられる。現在、吉林省の炭素繊維産業は産業配置、発展傾向、重点企業などの面で積極的な発展態勢を呈しており、地方経済の発展を推進し、産業競争力を高めることに重要な意義を持っている。
同時に、このプロジェクトの実施は関連産業チェーンの発展をけん引し、雇用を増やし、地元住民の所得レベルを高め、社会の調和と安定を促進するのにも積極的な役割を果たすことができる。また、プロジェクトの建設は資源利用率を高め、環境汚染を減らし、持続可能な発展の実現に役立ち、現在のグリーン・低炭素の発展理念に一致する。なので、当該プロジェクトは積極的な社会評価を持ち、高い実行可能性と発展の見通しを持っている。
1.5 協力方式
独資、合弁、協力。
1.6 外資導入の方式
資金、その他の方式は面談可能
1.7 プロジェクト建設場所
乾安県化学工業団地
1.8 プロジェクト進捗状況
プロジェクト提案書編成済み
2、協力側簡単紹介
2.1機構基本状況
名称:乾安県重点プロジェクトサービスセンター
住所:宇宙大路1399
2.2機構状況
乾安県は吉林省北西部に位置し、面積は3616平方キロ、総人口は27.5万人。省都長春市から210キロ、松原市から68キロ、松原査干湖空港から40キロ離れており、鉄道、鉄科高速、国道503、国道232が全域を貫いており、交通が便利で、立地の優位性が明らかになっている。
乾安県には豊富な農業資源がある。松遼平原の黄金トウモロコシ帯の乾安県に位置し、全国的に有名な商品食糧基地県である。全県の耕地面積は268.5万ムーで、主な農作物はトウモロコシ、コウリャン、アワなどがあり、特色ある農産物はトウモロコシ、赤唐辛子、メロン、ブドウなどがあり、年間食糧生産量は24億斤、家畜・家禽の総量は920万頭(匹)である。「乾安黄小米」「乾安糯トウモロコシ」「乾安赤唐辛子」「乾安羊肉」はすでに国家地理標識認証を取得している、乾華肉用「美利奴」肉羊新品種は、国内の肉毛兼用品種の空白を埋めた。
乾安県には豊富な水資源がある。境内には108の自然閉流湖があり、水域面積は23.6万ムー。哈達山水利ハブプロジェクトの竣工に伴い、水域面積は130万ムーに増加することができ、水資源の総量は19億立方メートルに達する。
乾安県には豊富な石油ガス資源がある。明らかにあんった石油の埋蔵量は3億トンで、年間100万トン以上の石油を生産している。天然ガスの埋蔵量は700億立方メートルで、一日100万立方メートルの天然ガスを供給することができる。二酸化炭素の埋蔵量は500億立方メートルで、1日に50万立方メートルの二酸化炭素を供給することができる。
乾安県には豊富な風力エネルギー、太陽エネルギー資源がある。年間有効風力エネルギー埋蔵量は6920億キロワット時で、現在12個の風場を計画し、敷地面積は760平方キロメートル、総設備容量は1100万キロワット時、現在設備容量は97万キロワット時を完成した。年間平均日照時間数は2866.6時間で、8億キロワット時の太陽光発電が可能である。
乾安県には豊富な観光資源がある。「南に石林、北に泥林」の美称を持つ大布蘇泥林は、国家級自然保護区、地質公園、科学普及基地である。今から2万年以上前のマンモスとサイの化石は国内外で有名である。2009年に発見された遼金皇帝の「春捺鉢」遺跡は、全国第三陣の文物調査百大新発見に選ばれ、国家級重点文化財保護機構である。
乾安県は中国で唯一の村と鎮の地名呼称が『千字文』の順番に字を選んで名づけられた県でもあり、国内で唯一無二の、奇抜な人文地名と地域景観を形成し、「井字荒」と呼ばれている。有名な観光地には大布蘇泥林があり、2005年8月に大布蘇国家級自然保護区に昇進し、2009年に国土資源部が乾安泥林国家地質公園に認可した。
2.3連絡方式
連絡係:鄧暁禹
電話:+86-438-8250023
邮 编:131400
プロジェクト所在市(州)連絡係:
連絡先:松原市商務局招商サービスセンター
連絡係:于莉莉
連絡電話:+86-18004388787