炭素繊維産業
吉林市炭素繊維ロボットアーム建設プロジェクト
1. プロジェクト簡単紹介
1.1 プロジェクト背景
1.1.1製品簡単紹介
ロボットアームは固定または移動式の機械であり、その構造は通常、相互にリンクまたは相対的にスライドする一連の部品からなる。作業方式は主にX、Y、Z軸に沿って線形運動をして目標位置に到達することにより、物体の把持または移動を実現し、自動制御、再現可能なプログラミング、多自由度(軸)を実現することができる。炭素繊維複合材料をロボットアームの全体材料として利用することは、アームの強度をより高くするだけでなく、アーム全体の軽量化を実現し、精度の高いタスク遂行に大きな役割を果たしている。
プロジェクトは吉林市の炭素繊維全製品チェーンの生産量、技術と価格の優位性に依拠して、炭素繊維ロボットアーム生産ラインを建設し、炭素繊維軽量化ロボットアームの高精度、高安定性と高信頼性の長所を十分に発揮する。
1.1.2 市場の見通し
1.アーム業界の発展現状
(1)市場規模
中国のアーム市場規模は近年顕著な成長傾向を示している。データによると、2022年の中国のアーム市場規模は178.3億元に近く、前年同時期比6.26%増で、2023年の市場規模は186.4億元に成長した。世界の製造業の高度化と自動化の需要の推進に伴い、自動車製造、電子製造、物流倉庫などの分野でのロボットアームの応用は拡大し続ける。
(2)アーム特許出願量
中国のアーム技術は海外に比べてスタートが遅い。2012年以降、アーム分野で徐々に技術的な突破を達成し、年間特許出願件数は飛躍的急速な伸びを見せ、急速な発展期と入った。近年、国内の関連特許出願件数は年々上昇し、2016年の1955件から2020年の11387件に増えた。不完全な統計によると、現在、アーム特許の数のうち、実用新型特許が50.4%、発明公布特許が30.6%、発明授権特許が16.6%、意匠特許が2.3%を占めている。
(3)競争構造
国内アーム産業の競争構図が形成されつつある。現在、国内アーム市場は主に本土企業と国際的に有名な企業が共同で競争している。現地企業にはABB、川崎重工、独馬吉などが含まれ、技術研究開発、製品品質、アフターサービスなどの面で一定の優位性を持っている。国際的に有名な企業には、日本の安川電機、ドイツのクーカなどが含まれ、技術革新とブランド影響力の面で大きな優位性を持っている。また、一部の新興企業も続々と出現しており、技術革新と市場の位置づけの差別化を通じて、市場競争に勝ち抜くことを求めている。
2.アーム業界の発展見通し
センシング技術、視覚システム、人工知能などの分野の発展に伴い、アームの知能化と自動化レベルは顕著に向上した。これにより、アームはより複雑で精密な生産任務に適応でき、生産効率と品質を向上させることができる。また、アームの柔軟性も多様化する生産ニーズに対応し、製造業のモデルチェンジとグレードアップのニーズに対応できるようにしている。同時に、労働力コストの増加、労働力不足、企業の生産性の向上とコスト削減に対する切実な需要のおかげである。ロボットアームは理想的な自動化設備として、ますます多くの企業に愛顧されており、潜在市場の需要が大きく、業界に巨大な発展潜在力をもたらしている。
3.ロボットアームにおける炭素繊維複合材料の使用
アームは国内での応用分野が非常に広い。まず製造業の分野であり、ロボットアームは自動車製造、電子製造、金属加工などの業界に応用でき、生産ラインの自動化と柔軟性を実現することができる。次に物流分野であり、ロボットアームは倉庫保管、選別、荷役などの一環に応用でき、物流効率と正確性を高めることができる。また、アームは医療、農業、航空宇宙などの分野にも応用でき、各業界にインテリジェント化ソリューションを提供することができる。
近年、中国のロボット技術の継続的な発展に伴い、ロボットの高速度、高精度、高負荷比重量などの性能の向上は工業と航空宇宙分野の注目を集めている。従来の金属材料ロボットアームの運動中の関節とリンクの柔軟性効果の増加により、構造が変形し、タスク実行の精度が低下した。したがって、ロボットアーム構造の柔軟性特徴を考慮し、柔軟性アームの高精度かつ効果的な制御を実現するとともに、アーム全体の材料特性も考慮しなければならない。したがって、アームのために適切な材料を選択することが重要である。
炭素繊維は誕生以来、その高強度、耐食性、耐衝撃性、軽量さで知られている。炭素繊維ロボットアームは現在の異なる材質のロボットアームの中で最も軽量であり、ロボットアームの自重を減らすだけでなく、ロボットアームが静的で動的な性能をよりよく実現できることを保証することができる。軽量化のほか、炭素繊維ロボットアームの力学性能も非常に優れており、耐荷重性能がよく、破断や歪みが発生しない。炭素繊維ロボットアームは耐疲労性能がよく、長時間の作業中に良好な靭性と弾性を保持することができ、伝統的な金属材料に比べてクリープ現象が現れず、ロボットアームの作業精度を維持し、製品の品質を保証し、再稼働率を減少させることができる。そのため、炭素繊維アームはハイエンド製造分野で幅広く応用される見通しがある。
1.1.3技術分析
本プロジェクトはプレスプロセスを通じて、炭素繊維プリプレグの舗装設計を最適化し、ほぼ「0」の熱変形効果を達成でき、炭素繊維アームの変形率を著しく低下させ、全体の性能を高めることができる。
1.1.4プロジェクト建設に有利な条件
(1)政策の優位性
『工業と情報化部など7部門の未来産業革新発展推進に関する実施意見』ではロボットの高トルク密度サーボモータ、高動態運動計画と制御、生体模倣感知と認知、知能ロボットハンド、電子皮膚などの核心技術を突破し、知能製造、家庭サービス、特殊環境作業などの分野の製品の開発と応用を重点的に推進することを提案した。
工業と情報化部の『「ロボット+」応用行動実施方案』は2025年までに、製造業のロボット密度は2020年より倍増し、サービスロボット、特殊ロボット業界の応用深さと広さは著しく向上させると、提出した。
工業と情報化部など7部門の「工業分野における設備更新の推進実施方案」は、生産作業、倉庫保管物流、品質管理制御などの段階改造を重点とし、デジタル制御工作機械と基礎製造装備、増材製造装備、産業ロボット工業制御装備、知能物流装備、センシングと検査装備などの汎用知能製造装備の更新を推進することを提案した。電気自転車業界は自動溶接ロボット、自動塗装と乾燥設備、電気またはエア組立設備、絶縁耐圧テスター、循環充放電テスターなどを更新した。
「2030年までにカーボンピークアウト行動方案」では炭素繊維、エアロゲル、特殊鋼材などの基礎材料の研究開発を加速させ、重要な部品、デバイス、ソフトウェアなどの短所補完を提案した。
『中華人民共和国国民経済と社会発展第14次5カ年計画と2035年ビジョン目標要綱』では、炭素繊維などの高性能繊維とその複合材料の研究開発応用を強化し、将来の炭素繊維業界の技術進歩に良好な政策環境を提供することを提案した。
吉林省政府は「炭素繊維及び複合材料産業の高品質発展の推進に関するいくつかの措置(2.0版)」(吉政弁発〔2023〕8号)を公布し、企業主体の育成に力を入れ、産業集積の発展を推進し、科学技術革新のリードを際立たせるなど6つの面からサポートした。
吉林市は「吉林市における炭素繊維複合材料の導入及び製品プロジェクトの優遇政策」を公布し、土地の供給、原料の供給、ドッキング協力の支持、投資奨励、人材の導入などを優先的に保障する面から、炭素繊維の全産業チェーン政策にサポートした。
(2)資源の優位性
中油吉化公司のアクリロニトリル工場は現在、全国の大型アクリロニトリル生産基地の一つであり、商品量は30万トン/年、吉化のモデルチェンジ・ぐれドアップの120万トン/年エチレンプロジェクトの生産開始後、アクリロニトリル商品量は26万トン増え、炭素繊維生産需要を完全に満たした。吉林化学繊維グループとの間のパイプライン輸送は、原料調達コストの削減に役立つと予想されている。同時に、域内の炭素繊維原糸、炭素繊維の生産能力はすべて国内第一で、規格は国内で最も完備し、品質は着実に向上し、吉林化学繊維グループは来区に投資した炭素繊維企業に大顧客価格の原料を提供する。しかも生産ラインは異なる製品の個性的な需要に基づいて技術調整を行い、異なる複合材料分野の市場需要を満たすことができる。
吉林市は水力発電が充実し、火力発電が発達し、電力供給が十分である。現在、大工業の電気価格は平均1度当たり0.6元で、全省の「陸上風景三峡」プロジェクトが完成後、吉林経済開発区炭素繊維産業を通じて松原、白城などで生産されたグリーン電気を大量に転化・消込でき、価格は平均1度当たり0.4元以内に抑えられ、企業の電気使用コストをさらに下げることができる。地表水資源量78.55億立方メートル、地下水資源量18.42億立方メートル。全市の大・中型ダムの年間総貯水量は113.5億立方メートルである。
(3)産業の優位性
吉林市は中国の炭素繊維産業の「ゆりかご」であり、1970年代から炭素繊維の研究開発と生産に従事し、2010年1月、基地は科学技術部に全国唯一の「国家級炭素繊維ハイテク産業化基地」と認定された。2020年3月、工業と情報化部により「炭素繊維及び複合材料国家新型工業化産業モデル基地」として認可された、2021年9月、中国化学繊維工業協会から「大糸束炭素繊維及び製品の研究開発生産基地」を授与された。現在、「アクリロニトリル−アクリロニトリル基原糸−炭素糸−下流製品」の国内で最も完全な炭素繊維産業チェーンが形成され、原糸の生産能力は世界で1位、炭素糸の生産能力は全国で1位、世界で2位である。冶金産業では、全省最大の冶金基地、2つの国家級冶金技術センターを持ち、建龍グループはすでに全省第一の鉄鋼生産企業となっている。
吉林市は吉林化学繊維グループ、炭谷炭素繊維会社、国興炭素繊維会社、国興復材会社、吉研ハイテク繊維会社などの国内有名な炭素繊維中堅企業を擁し、原糸の生産能力は16万トン、炭素繊維の生産能力は4.9万トン、規格は1K-50Kをカバーし、小糸束製品の性能はT700級に安定し、大糸束製品の品質は世界で最も優れている、炭谷炭素繊維会社T800、T1000級高性能炭素繊維プロジェクトの第1期試験運転を開始した、編み布、プリプレグ、引張板、炭素繊維フェルトなどの下流複合材及び製品はすでに規模化生産能力を形成している。
吉林省経済開発区は多方面から資金を調達し、中国吉林国家炭素繊維産業園、中国吉林高性能繊維複合新材料産業園などの専門化団地を建設、作り上げ、産業積載能力の向上に力を入れている。総敷地面積185ヘクタールの中国・炭谷炭素/炭素複合材料産業園、炭素繊維産業園、炭素繊維製品産業園、炭素繊維原料補助材料産業園の4つの団地をスタートさせ、炭素繊維とその下流応用プロジェクトにカスタマイズサービスを提供した。
(4)人材の優位性
吉林市には9校の大学がある。全日制在校生は10万人近く、毎年高等学校卒業生は約3万人余り。全市の専門技術人材は約6.1万人、技能人材は49.6万人で、そのうち、高技能人材は14.4万人に達する。
吉林市は新中国化学工業産業の揺り籠、炭素繊維産業人材の育成と輸出基地であり、地域内の大学の育成と輸送、特に中油吉化、化学繊維グループなどの国有大・中型企業の経験に頼って、多くの高素質な化学工業、化学繊維生産の専門技術人材と産業労働者を育成し、しかも労働コストは明らかに発達地域より低い。
(5)地理的優位性
吉林市は北東アジアの要の位置であり、長吉図の核心奥地に位置し、東は延辺を通じて河と海へ行き、西はハルビン・長春・瀋陽・大連につながり、南は遼源・丹東大通路を貫き、北は三江平原に接している。道路交通が便利で、龍嘉空港から64.5キロ、長春から117キロ、瀋陽から397キロ、ハルビンから355キロ、大連港から780キロ、天津港から1020キロである。京津冀とマッチングでき、北東アジアを輻射し、地政学発展の優位性が明らかである。高速道路は「一環四射」の道路網を形成し、鉄道は十字型を形成する。長春ー琿春都市間鉄道、長春ー図們、吉林ー舒蘭、瀋陽ー吉林などの鉄道を有し、九站-江密峰、九站ー棋盤、西豊ーハルビンなどの鉄道専用線及び連絡線を持つ。吉林地区の鉄道の貨物輸送量2670.6万トンで、貨物到着量は2817万トンに達した。
吉林経済開発区は東北交通主幹線の中枢に位置し、長春龍嘉国際空港からわずか60キロしか離れていない。道路の主幹線である長琿高速道路は吉林経済開発区に出口を設けている。2つの鉄道中間駅があり、高速鉄道双吉駅はすでに運営開始している。貨物輸送を主とする二台子空港は復航する準備ができている。省内唯一のB型保税物流センターである吉林市保税物流センターもある。
1.2 プロジェクト建設内容及び規模
1.2.1 建設規模
プロジェクトの落成後、年産5000セットのロボットアーム。
1.2.2 建設内容
プロジェクトの敷地面積10000平方メートル、建築面積12000平方メートル、炭素繊維ロボットアーム生産ライン設備を購入し、生産現場、倉庫、物流センター、総合棟などの施設をセットで建設する。
1.3プロジェクト総投資額と資金調達
1.3.1 プロジェクト総投資額
本プロジェクト総投資額は10000万元、その内、建設投資額8000万元、流動資金2000万元。
1.3.2 資金調達
企業自己調達
1.4 財務分析及び社会評価
1.4.1 主な財務指標
プロジェクトの量産後、年間売上高は10000万元、利益1500万元、投資回収期間9年(税引後、建設期間2年含む)、投資利益率15%。
説明:表中の「万元」はすべて人民元である
1.4.2 社会評価
プロジェクトの建設は中国の国産アームの生産技術を高め、国際市場における国産アームの競争力と影響力を高めることに有利である。将来、製造業の持続的な発展と自動化レベルの向上に伴い、中国のアーム産業は引き続き急速な発展態勢を維持し、世界の製造業のモデルチェンジと高度な発展に有力なサポートする。
1.5 協力方式
合弁、協力、独資、その他の方式は面談可能。
1.6 外資導入の方式
資金、その他の方式は面談可能。
1.7 プロジェクト建設場所
吉林経済技術開発区。
1.8 プロジェクト進捗状況
対外的に企業誘致中。
2、協力側簡単紹介
2.1 基本状況
名称:吉林経済技術開発区管理委員会
住所:吉林市九站街道九江大路499号
2.2概況
吉林経済技術開発区は吉林市西北郊外に位置し、1998年に区を建設し、2010年に国家級経済技術開発区に昇格し、行政管轄区の面積は93平方キロメートル、既成区は20.4平方キロメートルである。主導産業は新材料、精密化学工業、生物、医薬などがあり、科学技術部が認定した国家級炭素繊維ハイテク産業化基地、炭素繊維を主とする化学工業新材料国家級科学技術企業孵化器、工業情報部が認定した炭素繊維及び複合材料新型工業化産業模範基地、知的財産権局が認定した国家級特許産業化試験基地、発展改革委員会が許可した第1陣の国家汎用航空産業総合模範区、化学繊維協会が認定した大糸束炭素繊維及び製品研究開発生産基地、東北で最も競争力のあるファインケミカル産業集積区である。
区内には電力供給、熱供給、ガス供給、給水、排水、通信、汚水処理などの施設が完備しており、研究開発検査、企業孵化などの機能が完備している。新区開発において、中国吉林国家炭素繊維産業園、高性能繊維複合新材料産業園などの専門化団地を建設し、産業積載能力の向上に力を入れた。今年、炭素繊維「炭素ゼロ」製品産業園を新たに計画し、団地の総合セット機能と産業積載能力をさらに向上させ、入区プロジェクトに完備した公共工事と要素保障サービスを提供することができる。
2.3連絡方式
郵便番号:132000
連絡係:孫振達
電話:+86-432-66490969 +86-13944245509
イメール:jkkj07@163.com
プロジェクト所在市(州)連絡方式
連絡先:吉林市協力交流弁公室投資促進サービスセンター
連絡係:王艶超
連絡電話:+86-15843218881