1. プロジェクト簡単紹介

 1.1 プロジェクト背景

 1.1.1製品簡単紹介

バイオマス水素生産は、主に、バイオマスが一連の前処理を経て、化学的または生物学的方法を通じて水素に変換することである。他の水素生産方式に比べて、バイオマス水素生産は、現代社会の発展に安定した大量の水素エネルギーを提供するだけでなく、さまざまな農業及び生活廃棄物を高付加価値の資源に効率的に転化し、廃棄物の資源利用を実現することができる。この技術は、グリーンエネルギーの発展を推進するのに役立つだけでなく、環境保護と持続可能な発展に対しても広範な意義を持っている。

このプロジェクトは吉林省磐石市の豊富なバイオマス資源を利用してグリーン水素とメタノールを生産する。プロジェクトの落成後、年間60万トンのグリーン水素とグリーンメタノールを生産する。グリーン水素とグリーンメタノールは吉林省の自動車やその他の設備の燃料に使用される。

1.1.2 市場の見通し

（1）水素エネルギー市場需要

地球上で最も重要な元素のひとつである水素は、主に化学合成状態で存在し、その単体形態である水素はクリーンで効率的なエネルギーキャリアである。近年、世界的にクリーンエネルギーに対する需要が高まる中、水素とその関連技術は広く注目されている。特にカーボンピークとカーボンニュートラルという大きな背景の下で、水素は二次クリーンエネルギーとして「21世紀の究極のエネルギー」とみなされている。

近年、中国の水素エネルギー業界は各級政府の高度な重視と国家産業政策の重点支持を受けている。統計によると、2024年に我が国の22の省級行政区は水素エネルギーを政府活動報告に書き込み、各地区は異なる側面から積極的に水素エネルギーを発展させている。2024年以降、水素エネルギー産業では、業界標準の設定、技術の研究開発、設備の促進、都市バスのリニューアル、水素輸送など幅広い側面をカバーする国家レベルの政策が数多く発表され、水素エネルギー産業の健全で秩序ある持続可能な発展を促進している。

政策と市場の両方に後押しされ、中国は世界最大の水素生産国となった。2023年末時点で、全国の水素生産能力は年間約4900万トン、生産量は約3500万トンで、いずれも前年同期比約2.3%増加した。2024年の中国の水素生産量は3695万トンに達した。

カーボンニュートラル目標の下で、2030年までに我が国の水素の年間需要量は3715万トンに達し、末端エネルギー消費に占める割合は約5%となる。2060年までに、我が国の水素の年間需要量は約1.3億トンに増加し、末端エネルギー消費に占める割合は約20%となる。このうち、工業分野での水素使用の割合は依然として最大で、総需要量の60%を占めている。

水素生産プロセスは、水の電気分解による水素生産、化石エネルギーからの水素生産、化学工業原料からの水素生産、生物学的水素生産などがある。水の電気分解による水素生産技術は、プロセスが簡単で、環境汚染が小さく、水素生産純度が高いという利点があるが、水の電気分解は大量の電気エネルギーを消費する必要で、高価な触媒の使用が求められ、経済性を保証することが難しい。現在の水素生産の割合から見ると、化石エネルギーから生産される水素の量は依然として工業水素生産総量の約50%を占め、欧米諸国は天然ガスから水素生産を主とし、中国は主に石炭ガス化による水素生産するが、この方法は化石エネルギーを犠牲にし、水素生産効率は60%未満、技術の進歩が急務である。メタノールなどの化学工業原料は一定の温度、圧力と触媒条件で分解反応を発生して水素を製造することができ、この方法は技術が簡単で、運行が安定し、高効率で環境に優しいが、水素生産コストは工業原料であるメタノールの影響を大きく受け、水素生産過程は触媒に依存するため、触媒コストを削減し、触媒安定性を高める必要がある。

生物学的水素生産は、主に自然界に貯蔵された光エネルギーや有機物などを微生物の生理代謝によって水素に変換することである。微生物の種類と代謝メカニズムに応じて、生物学的水素生産は、主に光分解水による水素生産、光発酵による水素生産、暗発酵による水素生産の3種類に分けられる。他の水素生産方法に比べて、生物学の水素生産の優位性は次のとおりである：①反応コストが比較的に低く、反応条件が厳しくなく、常温常圧で行うことができる。②化石エネルギーを消費せず、汚染物質の生産量が少なく、生物を再利用することができ、優れた再生可能方式である。③基質は豊富にあり、通常は光エネルギーと有機物が必要で、これらの資源は太陽エネルギー、食品加工廃水、工業有機廃水、農業廃棄物などから広く得ることができ、エネルギーの利用率を向上させる。

世界範囲から見ると、現在、各国は主に石油化学原料の加工を通じて水素を生産し、風力エネルギー、太陽エネルギー、水の電気分解による水素生産、バイオマス水素生産などのグリーン水素は、総生産量の1%未満を占め、その中で、バイオ水素の生産能力はグリーン水素の1%未満、バイオマス水素エネルギーの発展はまだ初期段階にある。

中国のバイオマス水素生産技術は遅れて始まったが、近年急速に発展し、極めて大きな発展潜在力を持っている。統計によると、米国、中国、日本の3カ国は世界のバイオマス水素生産特許技術の68%を占め、その中で、中国は第2位にランクインし、特許総数の約23%を占め、主流の特許技術を掌握している。2015年以降、中国の年間特許出願件数は米国を上回り、世界で1位となり、他国との格差が徐々に広がっている。

バイオマスは、環境にやさしい再生可能エネルギー資源として、その水素生産技術が産業化されば、エネルギー利用構造の改善、環境汚染の抑制及び気候変動への対応に積極的な影響を与える。現在、バイオマス水素生産は依然として初期の発芽段階にあり、その中で、バイオマス熱化学水素生産技術は比較的成熟し、すでに大規模化生産を行うことができるが、水素生産率は高くない。国の水素エネルギーの発展に力を入れるにつれて、バイオマス水素生産は将来的にグリーン水素の大規模生産を実現する焦点となり、特にバイオマスが豊富な地域では、バイオマス水素生産は巨大な発展潜在力と見通しを持っている。

（2）グリーンメタノール市場現状

2024年6月27日現在、世界で計画中のグリーンメタノールプロジェクトは計102件で、合計計画生産能力は年間約1327万トンです。ほとんどのプロジェクトはまだ研究・計画段階にあり、運営中のプロジェクトは11件、建設中のプロジェクトは5件、計画中のプロジェクトは13件、公表または実現可能性段階のプロジェクトは73件である。国別の分布を見ると、グリーンメタノールを最も配置している3カ国はスペイン、デンマーク、米国で、プロジェクト数はそれぞれ13、10、10だった。技術路線の面では、電気からメタノールを製造するプロジェクトが圧倒的に多く、バイオマスからメタノールを製造するプロジェクトがそれに続く。

中国は世界最大のメタノール消費と生産国で、2023年の中国のメタノール総生産能力は1.05億トンで、世界の約60%を占めている。中国は巨大な産業システムを持ち、国内のメタノール需要が大きいにもかかわらず、依然として輸入に依存しており、2023年の輸入量は約1455万トンとなっている。2024年に新たに増設される生産能力は約500万トンで、総生産能力は1.12億トンに達し、生産量は約9257万トンとなる。2025年には新たな生産能力890万トンの増設が予想され、そのうちオレフィン、1,4 - ブタンジオール（BDO）などの関連装置に関する生産能力は580万トン、非一体化装置の生産能力は310万トンである。2024年にはメタノールを1331万トン輸入し、前年比7.33％減少した。2025年には輸入量が再び1400万トン以上の水準に回復する見通しである。

グリーンメタノールは低炭素燃料として、自動車燃料、燃料電池、船舶燃料、有機添加剤などの分野で大きな潜在力を持っている。国際海事機関(IMO)は、船舶用燃料へのグリーンメタノールの使用を促進するために、排出量を削減する戦略を採択しました。また、グリーンメタノールの生産コストは徐々に低下しており、グリーン電力コストの低下と生産規模の拡大に伴い、その経済性はさらに向上するだろう。

1.1.3技術分析

（1）バイオマス水素生産

空気を遮断した最初の熱分解により、原材料の主要部分を占める揮発性物質が沈殿し、気体状態に変換され、残留した木炭は除去され、ガス生成物が二次高温分解し、分子量の大きい重炭化水素（タール）が水素、メタンなどに分解し、タールが完全に除去され、前記熱分解ガスが再形成され、該熱分解ガス中のメタン及び一酸化炭素を水素に変換し、産出された水素リッチガスは、高温炭酸塩などの燃料電池に直接使用でき、効率的でクリーンな分散型発電システムとなるか、圧力スイング吸着や膜分離技術などで純水素を分離することができる。

（2）メタノール製造

水素と一酸化炭素を触媒の作用でメタノールを合成する化学反応である。この反応は、通常、特定の温度および圧力条件（一般的には200~300℃、20~30MPa）下で行われる。一般的に用いられる触媒としては、触媒活性及び安定性が高く、メタノール合成反応を効率的に促進することができる。

（3）合成

再生可能電力の不安定性を考慮し、負荷調整を容易にするために、メタノール合成は2系列で考慮され、各系列は年間30万トンである。

浄化された合成ガスは、水素と混合され、圧力1.5MPaの新しいガスが得られ、合成ガスコンプレッサーによって7.4MPaに圧縮された後、循環ガスと混合され、さらに8.0MPaに圧縮されメタノール合成塔に投入する。粗メタノールを脱軽化、脱水した後、メタノール製品を得る。

1.1.4プロジェクト建設に有利な条件

（1）政策の優位性

国家エネルギー局は2025年に『2025年エネルギー業務指導意見』を発表し、グリーン・低炭素を堅持し、エネルギー構造の調整・最適化を持続的に推進すると打ち出した。生態優先、グリーン発展を堅持し、炭素削減・汚染削減・グリーン拡大の成長を協同で推進する。再生可能エネルギーを積極的に発展させ、新エネルギーの現地消費と送電を総合的に計画し、化石エネルギーのクリーンで効率的な開発と利用を強化し、エネルギー消費側の省エネと炭素削減を積極的に推進し、エネルギー消費のモデルチェンジを加速し、非化石エネルギーの消費割合を高める。

「吉林省工業発展第14次五ケ年計画」は、水素の「製造・貯蔵・輸送・加算・使用」の全チェーンをめぐり、水素エネルギー設備、水素燃料電池の研究開発を推進すると明確に指摘している。スマート熱交換ユニット、新型高効率省エネ熱交換器の研究開発を支援する。大気汚染対策、水質汚染対策、固体廃棄物処理などの環境保護設備の発展加速を推進する。新エネルギーシステムソリューションプランのサプライヤーを育成し、新エネルギー設備の研究開発製造拠点を建設する。

『「水素動吉林」中長期発展計画（2021 - 2035年）』では、水素エネルギー産業を戦略的新興産業の育成・発展の重点とすることを打ち出している。吉林市、白城市、松原市の化学工業産業を基礎とし、「グリーン吉化」（水素系化学工業）類プロジェクトのデモンストレーションを展開し、多元化した水素源供給及び炭素繊維材料などの業界補助システムを構築し、化学工業のビジネスマップを拡大する。

「吉林市企業誘致政策」では、吉林市産業投資誘導基金の投資プロジェクトは国家及び関連産業政策及び発展計画に合致しなければならないことを明確にして、吉林市の「6411」産業計画における観光、医薬健康、航空、情報技術、新材料、先進設備製造、バイオテクノロジー、省エネ環境保護、新エネルギー、文化クリエイティブ、現代農業、現代サービス業などの関連産業、及び市政府が重点的に発展を支援するその他の分野に重点的に投資する。サブファンドの設立への株式参加の投資方法に加えて、ガイダンスファンドはフォローアップ投資、直接投資などを採用することもできる、新たに導入された条件に適格投資プロジェクトに対しては、国・省の現行税収政策に基づき、税収減免を享受する。吉林市への貢献度が比較的大きいプロジェクトについては、「国務院税収等優遇政策関連事項に関する通知」（国発 [2015] 25号）文書の精神に基づき、関連部門が企業が法に基づきコンプライアンスに準拠して税収減免を申請することに協力する、工業企業発展特別資金を設立し、「6411」産業体系の中の化学工業、自動車、冶金、農産物加工などの伝統産業の国の産業政策に合致し、産業のサポートが強く、牽引作用が明らかな重大プロジェクトの導入を奨励し、医薬健康、新材料、先進設備製造、電子情報などの新興産業の導入を奨励する。生産要素の配置において重点配分を与え、国、省の関連特別資金支援を優先的に推薦する。

（2）資源の優位性

吉林市のバイオマス生産量は、主に農作物のストークやわらなどの農業残余物を含み、総量は589万トンである。農業の畑返還、家畜用飼料、農村の炊事、暖房などの用途を除くと、収集できる余剰の藁類バイオマス資源量は267万トンである。磐石市のわら生産量は123.98万トンを超えている。

吉林市の使用可能な土地面積は853ヘクタールである。そのうち商業サービス用地は74ヘクタール、工鉱倉庫用地は500ヘクタール、住宅用地は179ヘクタール（そのうち保障性住宅用地は可能な限り、保証しなければならない）で、その他の用地100ヘクタール（公共管理と公共サービス、交通運輸、水域と水利施設用地と特殊用地を含む）である。開発可能な土地資源のストックが多く、新規用地、備蓄用地は新規プロジェクトのニーズを満たすことができ、用地価格は東北41都市の中で低価格にある。

（3）人材の優位性

吉林市には東北電力大学、吉林通用航空職業技術学院、吉林電子情報職業技術学院、吉林工業職業技術学院などの大学があり、大学は企業に絶えず人材サポートを提供している。これらの人材は豊富な実践経験を備えているだけでなく、高い技術レベルと革新能力も持っている。生産過程で様々な技術的難題を解決し、生産効率と製品品質を向上させることができる。同時に、これらの専門技能人材は企業の技術革新と製品研究開発に積極的に参与することができ、企業の持続的発展に強力な保障を提供することができる。

同時に吉林市には多くの素質の高い産業化労働者がおり、企業と公益機関の研修を経た後、毎年1万人余りの技能型人材を社会に輸送し、延べ2万人余りの各種人員を社会のために訓練している。労働力資源の優位性は明らかで、熟練技能工の占める割合は東北都市群の中で比較的に高いレベルにあり、労働力はちょうど配当期であり、労働力コストは相対的に低く、各種企業の需要を満たすことができる。

（4）地理的優位性

吉林市は中部の東に位置し、東は延辺朝鮮族自治州に接し、西は長春市、四平市で、北は黒竜江省ハルビン市で、南は白山市、通化市、遼源市に隣接している。

吉林市は北東アジアの地理的中心に位置し、交通運輸方式には鉄道、道路、水運、航空など様々な形式がある。吉林龍嘉国際空港と吉林空港、および長琿、沈哈高速道路、長琿都市間快速鉄道、沈哈複線鉄道などの交通幹線は吉林市の四通八達、迅速で便利な立体交通ネットワークを構成している。 

1.2 プロジェクト建設内容及び規模

1.2.1建設規模

このプロジェクトの総敷地面積は60万平方メートル、落成後、バイオマスを利用して年間60万トンのグリーン水素とグリーンメタノールを生産する。

1.2.2建設内容

このプロジェクトの総建築面積は47万平方メートル、主に高温ガス化炉、触媒炉、精製作業場、メタノール合成、貯蔵と輸送、付帯施設などを建設する。

1.3プロジェクト総投資額と資金調達

1.3.1プロジェクト総投資額

このプロジェクトの総投資額は500000万元、その内、建設投資は350000万元、流動資金は150000万元である。

1.3.2資金調達

企業自己調達。

1.4 財務分析及び社会評価

1.4.1 主な財務指標

プロジェクトの量産後、年間売上高は270000万元、利益は113636万元、投資回収期間は7.5年（税引き後、建設期間2年を含む）、投資利益率は22.7%。

説明：表中の「万元」はすべて人民元である

1.4.2 社会評価

このプロジェクトは、グリーン水素プロジェクトの一部として、従来の化石エネルギーからクリーンエネルギーへのエネルギー構造の転換を推進し、化石燃料への依存を減らし、温室効果ガス排出を削減し、気候変動に対抗するのに役立つ。

また、このプロジェクトの建設は、バイオマスの収集、処理、輸送、グリーン水素の生産、貯蔵、応用などを含む関連産業チェーンの発展を推進し、地元の雇用機会を創出し、経済成長を促進する。

1.5 協力方式

合資、協力、その他の方式は面談可能

1.6 外資導入の方式

資金、その他の方式は面談可能。

1.7 プロジェクト建設場所

吉林磐石経済開発区磐石冶金化学新材料工業団地。

1.8 プロジェクト進捗状況

計画段階。

2.協力側簡単紹介

2.1 基本状況

名称：吉林磐石経済開発区管理委員会

住所：吉林磐石経済開発区

2.2概況

磐石冶金・化学新材料工業団地は2019年に設立され、2020年末に省化学工業団地弁公室から、2023年9月に省化学工業団地弁公室からそれぞれ認定され、2022年に省緊急対応部門から安全リスクレベル評価がクラスCと認定された。既存の企業は13社で、そのうち規模工業は3社である。団地はインフラと付帯施設の建設を加速しており、区に入る企業に良好な発展プラットフォームを提供している、チェーンの補強、チェーンの強化、チェーンの延長を目標とし、優秀な商業者を募集し、良い資本を選ぶと同時に、プロジェクトの早期建設と生産と効果の達成を推進し、磐石工業経済の新たな成長極を構築する。2025年までに、グリーン・低炭素の「100億級」団地の建設を目指す。

2.3連絡方式

プロジェクト所在機構連絡方式：

連絡先：吉林磐石経済開発区管理委員会

郵便番号: 132000

連絡係：孫凱

電話：+86-432-65257806  +86-13252559898

プロジェクト所在市（州）連絡方式：

連絡先：吉林市商務局企業誘致サービスセンター

連絡先：姜雨秀

連絡電話：+86-432-62049694    +86-15804325460  

イメール：jlstzcjfwzx@163.com