1プロジェクト簡単紹介

　1.1プロジェクト背景

　1.1.1製品簡単紹介

消費型リチウム電池は、高出力消費電子製品の需要に応えるために設計されたリチウム電池で、高エネルギー密度、高出力、スピーディー充電、長い寿命などの特徴を持っている。スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、ビデオカメラ、ドローン、電気自動車などの消費電子製品に広く使用されている。円柱リチウムイオン電池ー、角型リチウムイオン電池ー、ポリマーソフトパックリチウムイオン電池ーの3種類に分けられる。

　プロジェクトの建設地点は吉林省遼源市龍山区に位置し、遼源市の新エネルギー産業基盤と鴻図鋰電隔膜（リチウム電池セパレーターフィルム）公司が中国国内の同類製品における優位性を活用して、消費型リチウムイオン電池ーを生産する。

　1.1.2市場の見通し

（1）世界リチウムイオン電池ー市場規模

リチウムイオン電池ーは大容量の充電機能と長持ちの特性を兼ね備え、その効率性と有効性から電子製品や自動車分野で広く利用されている。

2024年、世界のリチウムイオン電池ー市場規模は695億USドルに達し、アジア太平洋地域市場での割合は55％に達した。年間平均成長率17％のスピードで成長すると予測されている。中国、日本、インドなどの新興国ではスマートフォンやタブレットの需要が急増し、アジア太平洋地域のリチウムイオン電池ー市場の発展を促進している。この中で中国は主要な成長エリアであり、中国市場での割合は45％に達している。

北米はもう一つの重要な市場である、アメリカが北米地域のリチウムイオン電池ー市場を牽引している。自動車や電気自動車の販売急増、及びスマートフォンによるリチウムイオン電池ーへの需要増加が、北米地域のリチウムイオン電池ー市場の拡大と発展を後押ししている。

世界のリチウムイオン電池ーの出荷数のトップ10のうち、中国企業が6席を占めており、韓国のLGエナジー、サムスンSDI、SK Onの3社がランクインしている。一方、日本はパナソニックだけがTOP10にランクインしている。欧米のローカルバッテリー企業が2025年から稼働し、生産開始することで、欧米のバッテリーがローカル自動車メーカーへの供給比率が上昇し、今後2-3年で欧米のリチウムイオン電池ーのシェアが上昇する見込みである。

　2023年の世界パワーバッテリーの出荷量は859.6GW·hに達し、前年同期比24.2%増加となった。2022年と比べて、市場のトップ5社は依然として寧徳時代（CATL）、BYD、LGエナジー、パナソニック、SK Onであるが、具体的な順位には変化が見られているが、主にBYDがLGエナジーを追い越して、世界2位となった。そのうち、寧徳時代（CATL）のパワーバッテリー出荷量は276GW·hに達し、市場シェアが30%を超えて、依然として世界業界の発展をリードしている。

（2）中国消費型リチウムイオン電池ー市場の見通し

工信部の公式ウェブサイトのデータによると、2023年、中国のリチウムイオン電池ー産業は右肩上がりの傾向を持続し、業界全体の生産総額は1.4万億人民元を超えている。リチウム電池の総生産量は940 GW·hを超え、前年同期比25%の増加となっている。そのうち、バッテリー類では、消費型、パワー型、ストレージ型リチウム電池の生産量はそれぞれ80 GW·h、675 GW·h、185 GW·hで、リチウム電池の搭載量は435 GW·hを超えている。また、輸出貿易においても、バッテリー産業は継続的に成長しており、2023年の中国のリチウム電池の輸出総額は4574億元に達し、前年同期比33%を超えた。

消費型リチウムイオン電池ー市場は早いスタートを切り、世界経済の発展や電子技術の進歩及び消費型電子製品の普及と多様化に伴い、急速に発展し、消費型リチウムイオン電池ーはリチウムイオン電池ー市場において非常に重要な構成要素である。

5G、インターネット・オブ・シングズ、AIなどの技術の進歩に伴い、ブルートゥースイヤフォン、ウェアラブル端末、スマートスピーカー、ポータブル医療機器、電子タバコ、ドローン、車載レコーダーなどの新興消費型電子製品が次々と登場し、生産企業も徐々に増加しているため、世界の消費型リチウムイオン電池ー業界の需要も高まりつつある。また、中国のマクロ経済は長期的な持続成長を遂げており、人々の消費観念が徐々に変化し、機能豊富の新興消費型電子製品に対する受入度も高まっているため、中国の消費型電子製品の市場規模も拡大し続けている。

データによると、中国の消費型電池業界の出荷量は49GW·hであり、世界の出荷量の43.4%を占めており、2023年の需要は若干の回復が見られ、2024年の出荷量は88GW·hに達した。

政策の強力なサポートと下流産業の消費需要の拡大のもとで、中国の消費型リチウム電池産業は長年にわたる発展と改善を経て、セルバッテリー製造というコア分野で著しい進展を遂げただけでなく、リチウム鉱石の採掘・選別、材料供給、バッテリーセルおよびPACK、バッテリーリサイクルなど、各工程を含む完全な産業チェーンを構築し続けてきた。産業チェーンの上流産業は主に正・負極材料、電解液、セパレーターフィルムなどの重要材料であり、全体的に原材料供給は十分である。下流産業は主に消費型電子製品であり、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの伝統的な消費型電子製品に加えて、ブルートゥースイヤホン、ウェアラブルデバイス、スマートスピーカー、ポータブル医療機器、ドローン、電子煙などの新興消費型電子製品も含まれる。消費型電子製品の需要の増減は、消费型リチウム電池産業の発展に直接影響を与えている。

（3）消費型リチウム電池発展動向

①消費型リチウムイオン電池ーは、軽量化・小型化・高安全性・高エネルギー密度・スピーディー充電の方向へ進化

近年、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの従来の消費型電子製品や、ブルートゥースイヤフォン、スマートウォッチ、スマートバンドなどの新興消費型電子製品は、薄型化の方向へ進化しつつある。消費型リチウムイオン電池ーの規格も薄型化、小型化の方向へ変貌している。

電子設備が消費者の日常使用に応えるため、バッテリーの安全性、エネルギー密度、充電速度などに対する要求もより高くなっている。今後、消費型リチウムイオン電池ー製品は、業界のこのような動きに従い、より軽量、より小型、かつ高い安全性、高エネルギー密度、よりスピーディーに充電の方向へと進化すると見込まれる。

②新興の消費電子製品が、業界の重要な需要成長ポイントになる見込みである

電子技術の進歩によって、さまざまな消費型電子製品が次々と登場している。多機能な消費型電子製品は、人々の高まっている物的文化や娯楽のニーズを大いに満足し、生活の質と仕事の効率も大幅に向上させた。一般消費者の消費水準の上昇と消費型電子製品の新製品の続出の中で、消費型電子製品に対する需要も増加し続けている。

消費型電子製品は消費型リチウムイオン電池ーの重要な応用分野であり、世界的にスマートフォン、ノートパソコン、タブレットなど、従来の消費型電子製品市場が成熟していくなかで、市場の成長速度は徐々に緩和されている。一方、ブルートゥースイヤホン、ウェアラブルデバイス、スマートスピーカーなどを代表とする新興消費型電子製品は、消費者型電子製品市場の好景気の強力な支えとなっている。

③迅速な市場対応やカスタマイズ生産が業界の重要な発展方向となり、セルバッテリーの製造プロセスが特にキーポイントである。

消費型電子製品の更新周期が短いことから、消費型リチウムイオン電池ーの生産や設計は、下流産業の端末の需要変化に対応するため、既存製品を改善・グレードアップし、さらに下流産業の人気端末の切り替えにより最適なバッテリーを打ち出す必要がある。消費型電子製品の使用シチュエーションや機能の多様化が進むなかで、製品の種類やスタイルも常に変化し、各種物理的指標も合わせて変わっているが、そのうち、形状の変化が最も顕著な変化点である。スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなど、従来の消費型電子製品の軽量・薄型化、平面化のトレンド、及びブルートゥースイヤフォン、スマートウォッチ、スマートバンドなどの新興消費型電子製品の台頭は、将来のバッテリー形状が多様化に変化していくことを示している。バッテリーセルの製造プロセスの選択は特に重要となってくる。

④政策の誘導による全プロセスの自動化、スマート化、情報化

市場要因以外に、業界の関連政策も新しい生産モデルの推進に寄与している。工信部が2019年1月に発表した「リチウムイオン電池ー産業規範条件（2018年版）」では、「企業に対して戦略的布石を強化し、自動化設備のグレードアップを促進し、自動化レベルの向上を推進するよう激励し；自動化、情報化、及び知能化を設計、生産、管理、サービスの各ステップに貫かせることを激励する」と呼びかけた。生産ラインの自動化、スマート化、情報化のグレードアップは、現代の製造企業が市場に迅速に対応し、大量のカスタマイズ製品を生産するための基本条件である。国による関連奨励政策の打ち出しは、消費型リチウムイオン電池ーメーカーのカスタマイズ生産モデルの形成と発展に有利である。

以上のように、本プロジェクトは鴻図鴻図鋰電隔膜（リチウム電池セパレーターフィルム）公司が中国国内の同類製品における優位性を活用し、正・負極材料と電解液技術、生産ラインを導入し、消費型リチウムイオン電池ーを生産するが、市場の見通しが広いものである。

　1.1.3技術分析

リチウムイオン電池ーのバッテリーセル製造プロセスは主に折り畳み式と巻取り式の二種類に分けられる。折り畳み式は多数の極片を並列に接続する方式を取っているため、内抵抗が小さく、充電効率が高く、充・放電における発熱も相対的に小さく、均一であるため、電池の安全性が高い；また、折り畳み式製造プロセスは、バッテリーのサイズと形状を自由に組み合わせることができ、バッテリー内部の空間を効率的に利用でき、エネルギー密度が相対的に高く、コンパクト、異形バッテリーにより適している。バッテリーの厚さにおいて、折り畳み式の構造はその組み合わせの特性により、厚さの調整が容易で、超薄型バッテリーの製造に適している。一方、巻き取り式の構造はタップリードの厚さの制限で、超薄型バッテリーの製造が困難である。本プロジェクトでは中国国内の該当分野の大手企業と協力し、折り畳み式バッテリーセルの製造工程を用いる予定である。

1.1.4プロジェクト建設に有利な条件

（1）政策の優位性

近年、国家は相次いで一連の法律・法規と産業政策を打ち出し、消費型リチウムイオン電池業界の発展を大いに支持し、規範化を図っている。例えば、2023年11月に、国家鉄道局、工業と情報化部、中国国家鉄道集団有限公司は「消費型リチウム電池貨物鉄道輸送に関する指導意見」を発表し、消費型リチウム電池貨物の鉄道輸送規定を明確にし、鉄道輸送条件を規範化した。さらに、中国は「デジタル化による消費財工業支援の『三品』行動計画（2022－2025年）」や「電子製品消費を促進するための若干の処置」など複数の政策を発表し、下流の消費電子産業の発展を支持している。一連の政策の発表は、業界の秩序ある競争と健全な発展に良好な制度環境を作り、産業に良い導きと刺激作用を発揮している。

　2024年11月15日、工業と情報化部、環境保護部、緊急対応管理部、国家標準化管理委員会は共同で「国家リチウム電池産業標準システム建設ガイドライン（2024版）」を発表した「ガイドライン」では下記のことを明確にした：2026年までに、100項目以上の国家基準と業界基準を新規制定し、リチウム電池産業の高品質な発展をリードする標準システムをさらに健全化させ、標準サービス業界の優位性の役割を強化する。標準宣伝と実施を推進する企業を1000社以上に達成させ、標準サービス企業の革新発展の効果がさらに顕著になるようにする。10項目以上の国際基準の制定に参加し、中国のリチウム電池標準の国際的影響力をさらに高める。

　（2）資源の優位性

　近年、遼源市はエネルギー構造を継続的に最適化・調整し、北方クリーンエネルギー暖房デモ市建設を全面的に開始し、「石炭からガスへ」「石炭から電気へ」というクリーンな暖房改造プロジェクト47件を実施することで、標準石炭に換算した場合51万トンの石炭使用量を削減することが見込まれる。その他に、遼源市は風力エネルギー、太陽エネルギー、バイオマスエネルギーなどの資源が豊富で、グリーン低炭素プロジェクトの建設を支援している。

　（3）産業の優位性

近年、遼源高新技術産業開発区は正確な計画と位置づけを行い、「双核駆動、一区四園」の機能配置を形成した。「4+1産業」の規模化とクラスター化を拡大し、2111の企業が進出した。新エネルギー自動車部品産業の規模は急激に拡大している。4平方キロメートルの新エネルギー自動車部品供給産業基地の建設を計画し、鴻図リチウム電池セパレータ、中聚新エネルギー、均勝電子、晟源新材料、錦程重工をコアとする新エネルギー自動車部品供給産業システムを形成し、省政府より一汽の戦略的パートナーに指定され、一汽弗迪と戦略的パートナーシップ契約を締結した。

プロジェクトの上流企業である遼源鴻図锂电隔膜科技股份有限公司は、主に亜鉛マンガン電池セパレータと高品質なリチウムイオン電池セパレータを生産している。亜鉛マンガン電池セパレータ製品は、南アフリカ、日本、韓国などの国や地域に輸出されており、日本パナソニック社の10年間の優秀なサプライヤーとなり、リチウムイオン電池セパレータは、天津力神社の優秀なサプライヤー、主力サプライヤーであり、製品は三星、LG、住友、帝人などの国内外の有名な企業の認証を取得している。鴻図隔膜社は、東北師範大学、吉林大学、中国科学院长春応化所、中国電池工業協会と長年の協力関係を築いており、且つ国外から専門の技術チームを招聘した。海外のリチウム電池セパレータの生産設備と検査設備を一式導入し、技術革新と研究開発に取り組んでおり、5ミクロン、7ミクロンの超薄膜単層セパレータと高出力用の高孔セラミックコーティング膜を開発し、特許14件を保有しており、そのうち発明特許が13件ある。

（4）人材の優位性

　遼源市は豊富な人的資源を有し、市区には職業教育院校が設置されており、企業のニーズに応じて指向性のある人材を育成することができる。遼源市には良好な工業発展の基盤があり、全国的に有名な「大学城」「自動車城」と呼ばれる長春市まではわずか115.13キロメートルで、企業の様々な人材のニーズを満たすことができる。

（5）地理的交通の優位性

　遼源市の地理的優位性は顕著で、北側は長春龍嘉国際空港まで140キロメートル、南側は瀋陽桃仙国際空港まで240キロメートルの距離に位置し、長春1時間経済圏と沈鉄都市圏の重要な軸線上にある。周辺200キロメートルの半径内には、2つの省会都市と8つの地級市があり、その辐射人口は約4000万人である。市区には「三環四縦六横」の交通ネットワークがすでに形成されている。地域間の道路と鉄道交通は発達しており、国道303号線と四梅鉄道が全市を貫いており、遼西・遼長鉄道と長遼・営梅・吉草・遼西高速道路、そして建設予定の遼源民用空港が、東北内陸部へのアクセスと入港・通関の総合交通システムを構成している。

1.2 プロジェクト建設内容及び規模

　プロジェクトは、遼源鸿図锂电隔膜科技股份有限公司敷地内にある既存の工場棟を利用し正極材料と電解液の生産ラインを導入する予定である。

1.3プロジェクト総投資額と資金調達

1.3.1プロジェクト総投資額

プロジェクト総投資額は20000万元、その内、建設投資額16000万元、流動資金は4000万元。

1.3.2資金調達

　企業自己調達

1.4 財務分析及び社会評価

1.4.1 主な財務指標

　プロジェクトの量産後、年間売上高は25000万元、利益3000万元、投資回収期間7.7年（税引後、建設期間1年含む）、投資利益率15%。

　説明：表中の「万元」はすべて人民元である

　1.4.2社会評価

　プロジェクトの建設により、消費型リチウム電池の完全な産業チェーンを形成に有利であり、遼源市の消費型リチウム電池産業のグレードアップを促進し、下流産業を牽引すると同時に、地元の就業を促進し、ローカル社会の発展に良好な促進の役割を果たす。

　1.5協力方式

合弁協力、その他の方式は面談可能

1.6 外資導入の方式

資金、その他の方式は面談可能

　1.7 プロジェクト建設場所

　吉林遼源高新技術産業開発区

1.8 プロジェクト進捗状況

　企業誘致中

2、協力側簡単紹介

2.1 基本状況

　名称：遼源市鴻図鋰電隔膜科技股份有限公司

　住所：吉林省遼源市龍山区友誼大路78号

　2.2概況

　遼源鸿図锂电隔膜科技股份有限公司は2005年3月に設立され、主な製品は亜鉛マンガン電池隔膜と高品質リチウムイオン電池隔膜である。

　鴻図隔膜は国内で最初に専門的に電池隔膜を生産した企業の一つで、2012年に海外の先進技術を導入し、消化吸収のうえリチウム電池隔膜の研究開発を行い、国内隔膜業界の空白を埋めた。2014年に会社の製品は輸入品を代替え天津力神のサプライヤーシステムに入り、且つ天津力神の主要なサプライヤーとなった。

　そのうちの亜鉛マンガン電池セパレータは南アフリカ、日本、韓国などの国と地域に輸出されており、日本パナソニック社の10年間の優秀サプライヤーとなり、リチウムイオン電池パレータは天津力神社の優秀サプライヤー、主力サプライヤーとなり、且つ製品は三星、LG、住友、帝人など国内外の有名企業の認証を取得している。

　2.3連絡方式　

　郵便番号：136200

　連絡先：畢成業 

　電話：+86-437-3166166  +86-13258791949

　イメール：lyslsqswj@163.com

　プロジェクト所在市（州）連絡方式：

　連絡先：遼源市商務局

　連絡係：艾晶

　連絡電話：+86-18643787709

　イメール：lyjhjxmc@163.com