1. プロジェクト簡単紹介

1.1 プロジェクト背景

1.1.1製品簡単紹介

籾殻炭は籾殻が高温炭化して形成された物質で、環境保護と農業分野で広く応用されている。環境保護の面では、籾殻炭は多孔性のため吸着剤としてよく使われ、水の不純物や有害物質を効果的に除去することができる。また、活性炭投入装置の一部として汚水処理などの環境保護プロジェクトにも使用できる。農業の面では、籾殻炭は土壌構造を改善し、土壌の肥力を高め、植物の成長を促進することができる。

籾殻酢液は生物化学技術によって抽出された天然植物素材であり、主要成分は酢酸、フェノール類、水などであり、そのうち有機質成分酢酸は10%以上を占め、高濃度で強い殺菌、抗菌の機能を有し、低濃度では雑菌の繁殖を抑制し、防菌、防虫の効果がある。異なる業界における用途は非常に広く、農業生産において作物の成長を促進し、アルカリ性土壌を改良し、病虫害を予防・治療し、作物の生産量を向上させることができる。

籾殻有機複合肥料は廃棄された籾殻を発酵処理して製造された有機肥料であり、農業生産に持続可能で環境に優しい養分源を提供している。このプロセスは廃棄資源を十分に生かすだけでなく、土壌の質を改善し、植物の成長を促進し、農業の持続可能な発展を推進することができる。

籾殻殺菌剤、殺虫剤は高純度籾殻抽出物といくつかの天然植物成分から構成され、主に殺虫、殺菌、土壌調節などの役割を果たし、主に家庭園芸と農作物栽培に応用されている。

本プロジェクトは白城市の豊富な籾殻資源を利用して、籾殻炭、籾殻酢液、籾殻有機肥料などの製品を生産し、農業産業チェーンを延長すると同時に、農民の収入を増やし、地方経済の成長を牽引する。

1.1.2 市場の見通し

（1）中国の稲の栽培と生産量状況

中国は稲作の歴史が最も古く、水稲の遺伝資源が最も豊富な国の一つであり、水稲の栽培面積と生産量はいずれも世界の上位に位置し、世界の主要な稲作国の一つでもある。米産業は国の経済と民生にかかわる重要な産業であり、食糧安全保障システムの構築と整備において重要な地位を持っている。米産業の質の高い発展を実現することは、食糧供給側の構造改革を推進し、より高いレベル、より高い品質、より持続可能な国家食糧安全の実現に重要な意義がある。近年トウモロコシなどの穀物価格が大幅に上昇し、農民の栽培意欲が大幅に増加したことなどから、中国の水稲栽培面積はやや低下している。

国家統計局のデータによると、全国の農業栽培構造の調整、適生環境気候の変化、都市化のプロセスの加速などの総合的な要素の影響を受けて、2010年以来、中国の穀物栽培面積は全体的に先に増加してから下がる傾向を呈して、全体は4.5億ムー前後で小幅な変動を示している。

水稲生産量の変化傾向は栽培面積と同時に変動し、近年平年2億トン以上を維持しており、単産レベルの向上のおかげで、近年全国の水稲栽培面積は低下しているが、水稲生産量全体は依然として増加傾向を維持している。2022-2023年の間、中国の水稲生産量は2年連続で年々減少傾向を示したが、前年同期比のダウン幅は栽培面積のダウン幅よりやや小さかった。 

（2）中国の籾殻加工業界の現状

もみを米に加工するプロセスには、整理、もみ、精米、完成品副産物整理などの工程が含まれ、同時にもみ殻、米ぬかやくず米などの副産物が産出され、これらの副産物にも様々な開発と利用ルートがある。

稲の外側の殻はまた砻糠とも呼ばれ、それには多種の有用成分を含み、燃料や飼料にすることができ、また多種の工業原料を抽出することができる。100斤の籾の加工に当たり、約20斤の籾殻を得ることができる。籾殻業界は籾殻の外殻を利用して加工利用する業界であり、籾殻は適切な加工処理により、籾殻炭、籾殻石炭、籾殻製品などの多種の有用な製品に転化することができる。現在、もみ殻業界の市場発展は比較的良好である。まず、籾殻は籾の副産物であり、その生産量は膨大で資源が豊富である。籾殻は多連産精深加工を経て、大幅に付加価値を高めることができ、しかも全過程で廃棄物や汚染が発生せず、完全に閉ループを形成する。もみ殻業界は資源が豊富で、環境保護と持続可能な発展などの特徴から、徐々に市場の注目を集めている。

籾殻炭の応用範囲は広く、主に土壌改良剤と活性炭原料を含む。籾殻炭は土壌の肥力を増やし、土壌構造を改善し、作物の生産量を高めることができる。また、さらなる加工処理を経て、空気浄化、水処理などの分野で使用することができる。2022年の世界炭化籾殻市場規模は45億ドルに達し、2030年までに年間6.3％の複合伸び率のペースで78億ドルに拡大し続ける見通しだ。中国では、籾殻炭市場は今後数年間で急速に発展する見通しだ。2021年の中国籾殻炭市場規模はすでに15億元を超え、2025年までに20億元以上に達する見通しだ。世界的な人口増加と経済発展に伴い、質の高い農産物への需要が急増し、炭化籾殻の農業分野への広範な応用が促進された。

籾殻酢液はその良好な生分解性と環境にやさしい特性のため、汚水処理、空気浄化などの分野で広く応用されている。もみ殻酢液は環境保護の価値があるだけでなく、農業に追加の収益をもたらし、同時に消費者の健康製品に対する需要を満たすことができる。もみがら酢液製造企業には江西金糠新材料科学技術有限会社などがあり、技術革新と生産技術の改善を通じて、高品質のもみがら酢液と関連製品を生産し、市場で認められている。籾殻酢液の市場見通しは非常に広く、巨大な発展潜在力を持っている。

籾殻有機複合肥料の使用は土壌構造の改善に役立ち、土壌の有機質含有量を増加させ、それによって作物の生産量と品質を高める。経済的な観点から見ると、初期投資は高いかもしれないが、長期的に見ると、土壌への持久メリットと病虫害を減らす効果のため、籾殻有機複合肥料の投資回収は持続可能である。世界の環境保護に対する意識の高まりに伴い、各国政府は農業のグリーン、持続可能な方向への発展を推進している。中国も例外ではなく、2025年までに化学肥料の減量化の目標を掲げており、これは籾殻有機複合肥料の使用を含む有機肥料を促進することになる。籾殻有機複合肥料は環境に優しく有効な農業肥料として、その市場の将来性は近年期待されている。農民の高効率農業実践に対する認識が深まるにつれ、高品質肥料への需要も増加しており、これは籾殻有機複合肥料に市場空間を提供している。

本プロジェクトは鎮賚県の豊富な米資源を十分に生かし、米の加工による籾殻のシリーズ開発利用を行い、その高付加価値を抽出し、しかも省エネ・排出削減・効果の面でも大きな効果を得ることができる。プロジェクト建設市場の見通しは広い。

1.1.3技術分析

‌プロジェクトは現代化生産プロセスと自動化生産ラインを採用し、生産プロセスと技術が成熟し、規模化生産条件を備えている。

（1）籾殻炭生産プロセス

籾殻洗浄：籾殻中に不純物が含まれ、洗浄を行い、不純物を取り除き、原料の清潔性を保証する必要がある。

籾殻炭化：洗浄された籾殻を炭化炉に入れて高温炭化処理を行い、籾殻中の不純物を揮発蒸発させ、残りの部分は硬く、黒く、多孔質状を呈する籾殻炭となる。

籾殻炭スクリーニング：炭化処理された籾殻は粉塵を発生し、スクリーニング技術を通じて、その中の粉塵と砕屑を取り除き、製品の品質を保証する。

籾殻炭プレス：選別した籾殻炭をプレス機に入れてプレスし、所要の形状と大きさの籾殻炭に圧縮する。

（2）籾殻酢液の生産プロセス

原料準備：もみ殻を洗浄、乾燥、粉砕し、原料の清潔さと均一性を確保。

熱分解：処理後の籾殻を熱分解して有効成分を抽出。

油抜きと老化を促進：特定の化学処理により、籾殻中の油脂やその他の不純物を除去する。

蒸留：タール、フェノール類、メタノールなどの有害物質を除去するために一級蒸留を行う。

吸着脱色とろ過：吸着脱色とろ過により、もみ殻酢液をさらに浄化する。

二級蒸留：2次蒸留を行い、最終製品の清潔度を確保。

（3）籾殻有機複合肥料の生産技術

収集と処理：まず、籾殻は水稲加工後に効率的に収集される必要がある。その後、それを予備処理し、不純物と異物を除去し、発酵過程の清潔性を保障する。

発酵菌接種：好気性微生物や嫌気性微生物などの適切な微生物菌種を選択し、籾殻に加え、発酵の開始を促す。これらの微生物は籾殻中の複雑な有機物質を分解することができる。

加湿調節：湿度を調整することは発酵効果を保障する重要なステップである。適度な湿潤化は微生物の繁殖と有機物質の分解に役立ち、微生物の活動に適した環境を作り出す。

通風と攪拌：通風と攪拌を通じて、発酵過程中の酸素の供給が十分であることを確保し、酸欠による嫌気発酵を回避し、全体の発酵効率を高める。

発酵期の制御：発酵の時間は一般的に数週間かかり、発酵期を制御することは有機物の十分な分解を確保するキーポイントである。合理的な発酵期は安定した有機肥料の生成に役立つ。

（4）籾殻殺菌剤、殺虫剤の生産技術

ふすま、もみ殻は均一に混合し、砂糖は水に溶けて砂糖水になる。二胞接合酵母菌、バイエル結合酵母菌、木酢桿菌を混合する。混合材料を層ごとに発酵池に入れ、層ごとに敷いた後、均等に砂糖水と混合菌液の混合液をこの層までスプレーして湿潤させ、恒温発酵後の材料液を濾過して発酵液と固体スラグを得、発酵液に水酸化ナトリウムを加えてpH値を調節し、再びろ過してフラボノイド類を含むアピゲニン、アルキルレゾルシノール類の5-ノナデシル-1,3-ベンゼンジオール、 5-トリコシル-1,3-ベンゼンジオール、糖類のペントサン、キトサン、オリゴ糖、オリゴグルコサミン、レンチナン、グルコマンナンの混合物を得る。混合物を用いて植物源農業用殺菌剤、虫除け剤を調製する。

1.1.4プロジェクト建設に有利な条件

（1）政策の優位性

国務院弁公庁の「農産物加工業のさらなる発展の促進に関する意見」国務院弁公庁（2016）93号は、先進的な抽出、分離、製造技術を採用し、副産物の収集、輸送、処理ルートを集中的に確立し、わら、籾殻米ぬか、麦麩、油料餅粕、果物・野菜の皮くず、家畜・家禽の毛皮骨血、水産物の皮骨内臓などの副産物の総合利用の推進を加速し、新エネルギー、新材料、新製品などを開発し、農産物の加工潜在力を絶えず掘り起こし、付加価値空間を高めることを提案した。

2017年12月、農業部弁公庁は「農産物及び加工副産物の総合利用試行の展開に関する通知」を発表し、副産物加工の高価値利用を提案した。籾殻、ふすま胚芽、油料餅粕、イモかす、イモ液、果皮果滓、家畜・家禽の骨血と内臓、水産物の皮骨と内臓などの副産物加工の豊富な栄養成分を開発利用し、食品の生産、栄養と活性物質の抽出、飼料、肥料及びその他の精密加工製品として使用する。副産物の収集、処理、輸送のグリーンルートを確立し、加工副産物の有効な供給と加工を実現する。

（2）資源の優位性

鎮賚県の管轄区域の面積は4718.69平方キロメートルで、耕地は18.73万ヘクタール、園地は404.19ヘクタール、林地は4.03万ヘクタール、草地は4.11万ヘクタール、都市と工業・鉱業用地は1.38万ヘクタール、交通用地は9563.47ヘクタール、水域と水利施設の敷地面積は9.52万ヘクタール、その他の土地は8.42万ヘクタールである。工業及び建設用地は十分である。

鎮賚県は電力資源が豊富で、クリーンエネルギー面積600平方キロメートル、半径100メートル範囲内の火力発電、クリーンエネルギー総組立機量300万キロワット時、フル負荷発電量160億キロワット時、社会全体の電力使用量50億キロワット時、年間余剰電力量110億キロワット時を開発することができ、国家初のクリーンエネルギーモデル都市と風力発電のローカル消込モデル区である。

（3）産業の優位性

鎮賚県は吉林省の食糧生産県として、一貫して「食糧を地に隠す」「食糧を技術に隠す」という国家戦略を揺るぐことなく貫徹し、農業強県の建設を目標に、「品質農業」の構築に力を入れ、農産物の品質と付加価値を高め、ハイテク、高効率、高品質の特徴を持つ農業産業プロジェクトを推進し、新科学技術、新発展理念を農業生産に溶け込ませることを奨励する。

鎮賚県は吉林省の水稲栽培の第一位県であり、鎮賚県の水稲栽培面積と生産量はずっと全省の第一位を維持している。ここ数年来、現地は高基準農地の建設を推進すると同時に、土地の事情に応じて「水田＋」総合栽培モデルを大いに普及させ、そして多種の水田栽培養殖モデルを模索し、食糧栽培家に「一地両業、一水両用、一田双収」を実現させた。2024年、鎮賚県の水稲栽培面積は155万ムー、生産量は20.6億斤、1000万斤増産し、年間約4億斤の籾殻を産出する。

（4）地理的優位性

鎮賚県は黒竜江、吉林、内モンゴルの3大資源省（区）の結合部に位置し、「鳥鳴けば三省に響く」の誉れがあり、200キロ半径内には、5つの地級都市（松原、白城、チチチハル、大慶、ウランホト）、5つの支線空港が周囲を周回し、白城空港からわずか40キロしか離れていない。境内には2本の鉄道、2本の高速道路が貫通して交差しており、黒、吉、モンゴルの3省区の境界にある重要な「中枢型」都市であり、内モンゴル、黒竜江省に入るには必ず通らなければならない場所であり、交通が便利で、物流が発達しており、強い放射線による牽引優位性を持っている。

（5）人材の優位性

白城市には農業科学院、林科学院、農業機械研究院、牧畜研究院、科学研究所など多くの科学研究院があり、各種専門技術者は40873人で、そのうち高級肩書者数は6898人、中級肩書者数は18409人、初級肩書者数は15566人である。白城市農業科学院は吉林省西部の半干ばつ特殊生態区唯一の農業総合性科学研究機構であり、オート麦、ヒマワリ、雑穀雑豆などの研究は全国トップの地位を占め、吉林省西部の農業科学技術革新と農業技術普及の最前線、最も主要な科学研究団体である。

1.2 プロジェクト建設内容及び規模

1.2.1 製品規模

プロジェクトは年間籾殻炭4000トン、酢液2500トン、有機複合肥料5000トン、殺菌剤、虫よけ剤200トンを生産する。

1.2.2 プロジェクト建設内容

プロジェクトの敷地面積は4万㎡で、建築面積は3万㎡で、主に籾殻加工作業場、原料庫、完成品倉庫、実験室、研究開発センター、総合オフィスビルなどの建築物を建設し、生産設備を購入し、そして水力電気暖房、地面硬化、緑化などの関連施設を建設する予定である。

1.3プロジェクト総投資額と資金調達

1.3.1 プロジェクト総投資額

プロジェクト総投資額は15000万元、その内、建設投資額12000万元、流動資金3000万元。

1.3.2 資金調達

企業自己調達。

1.4 財務分析及び社会評価

1.4.1 主な財務指標

プロジェクトの量産後、年間売上高は9500万元、利益3125万元、投資回収期間6.8年（税引後、建設期間2年含む）、投資利益率20.8％。

説明：表中の「万元」はすべて人民元である

1.4.2 社会評価

もみ殻は農作物の副産物として、その深加工過程は持続可能な発展の価値を備えているだけでなく、同時に高い環境保護の意義を持っている。もみ殻は深加工処理を経て、新しい高価値製品になり、環境への破壊と浪費を回避し、同時に社会に経済利益と社会効果をもたらした。また、籾殻深加工技術の応用は農業及び工業生産における化石エネルギーの需要を低減し、グリーン低炭素経済の建設を推進することができる。

1.5 協力方式

独資、合弁。

1.6 外資導入の方式

資金、設備、技術。

1.7 プロジェクト建設場所

白城市鎮賚県。

1.8 プロジェクト進捗状況

プロジェクト提案書編成済み。

2 協力側簡単紹介

2.1 基本状況

名称：鎮賚県プロジェクト発展サービスセンター

住所：白城市鎮賚県鎮賚鎮新興南街1777号

2.2概況

鎮賚県は吉林省北西部に位置し、吉林、黒竜江、内モンゴルの3省（区）接合部に位置し、松嫩平原とコルチン草原が融合した集積地帯である。東は嫩江に隣し、黒竜江省ドゥルバートモンゴル族自治県、肇源県と川を隔てて向かい合い、西は内モンゴル自治区ウランホト市につながり、北は黒竜江省泰来県、内モンゴル自治区扎賚特旗と境を接し、南西と南はそれぞれ白城市、大安市、洮北区と隣接している。鎮賚県は全国の大型商品食糧基地と牧畜発展モデル基地である。鎮賚県の地理的交通の優位性は明らかで、鎮賚県を中心として、500キロメートルを半径に、東北地区の工業都市と資源富集地区を全面的にカバーすることができる。

2023年、全県のGDPは前年同期比6.6%増の94.8億元に達した。固定資産投資額は前年同期比23.6%増の20億元を達成した。工業総生産額は前年同期比9%増の27億元を達成した。工業増加額は前年同期比7%増の7.8億元に達した。社会消費財小売総額は前年同期比7%増の14.2億元を達成した。地方レベルの財政収入は前年同期比20%増の4億元を達成した。都市部住民の1人当たり可処分所得は前年同期比8%増、農村住民の1人当たり可処分所得は前年同期比9%増加した。

2.3連絡方式

2.3.1 協力機構連絡方式

連絡先：鎮賚県プロジェクト発展サービスセンター

連絡係：田甜

連絡電話：+86-15886168765

2.3.2 プロジェクト所在市（州）連絡方式

連絡先：白城市商務局

連絡係：徐増春  

連絡電話：+86-436-3203010  +86-13894682986

イメール：bcjhj07@126.com