1.プロジェクト簡単紹介

1.1技術成果の簡単紹介

　プロジェクトの技術成果は物質の化学組分けと外界条件（例えば圧強）だけで物質の結晶構造を検索或いは確定することが可能であり、機能のニーズによって機能材料（例えば超硬材料等）の構造設計をすることができる。結晶構造は材料のマクロの物理化学性質を深く理解し、新材料の設計を行う基礎であり、その発展はただ化学組分けの材料構造の予測方法とソフトウェアによって、実験と結合して共同的に結晶構造の課題を解決できるし、また実験に前立って物質の予測を行うことができ、新材料の実験合成を指導して新材料研究開発のモデルの変革を実現することができる。

1.2技術分析と優位性

プロジェクト技術チームは初めて粒子群の最適化アルゴリズム（PSO）を結晶構造計算分野に導入して、ポテンシャルエネルギー曲面上の最低エネルギー状態(最も安定した材料構造)の高効率計算を解決し、材料構造設計ソフトウェアの国産化を実現し、CALYPSOは既に超伝導、超硬質、電池、太陽光発電、ホットスポット、触媒、ナノなどの材料設計に広く使用されている。実験では既に100以上の材料が合成され、現在の超伝導温度変化の記録を打ち立てており、さまざまな材料開発分野の発展を促している。

　1.3技術成果の主要製品と応用

　本プロジェクトの製品の一つであるCALYPSOソフトウェアの商用ライセンスは、世界中の大学、研究機関、企業の材料設計研究に使用されている。本プロジェクトの他の一部の製品は、ソフトウェア計算サービスで、スーパーコンピューティングセンターに属し、ユーザーのために材料設計研究の計算サービスを提供する。

　1.4技術成果の産業化と市場推進

　1.4.1 技術成果の段階

　既に中間テスト段階に入っている。

　1.4.2技術成果の市場推進方案

　（1）技術的なプレゼンテーションのプラットフォームの構築：オンラインのプレゼンテーションのプラットフォームを構築することによって、潜在的なユーザーにCALYPSOソフトウェアの技術プレゼンテーションと体験を提供し、ユーザーにCALYPSOの方法論と技術の利点と適用シナリオを直感的に理解できるようにする。

　（2）オンラインとオフラインのトレーニングの実施：異なるユーザー対し、オンラインまたはオフラインのトレーニングコースを開催する。CALYPSOソフトウェアを使って材料の設計と最適化を教え、ユーザーの使用スキルを向上させる。

　（3）モデル事業の立ち上げ：業界に影響力のある企業や研究機関と戦略的提携を結び、CALYPSOの手法や技術を活用したモデル事業を共同で展開し、実際の効果と価値をアピールする。

　（4）業界活動への積極的な参加：材料科学や計算化学などの関連分野の学術会議、展示会などのイベントに参加し、業界の専門家や潜在ユーザーにCALYPSOの手法と技術の最新進歩と応用を紹介する。

　1.5技術団体

　吉林大学材料設計方法及びソフトウェアチームは合計12人で、技術顧問は吉林大学の馬琰銘教授である。彼は中国科学院院士で、現在吉林大学副校長を務め、国家傑出青年科学基金、全国優秀科学技術科技労働者称号、中国青年科学技術賞、吉林省青年科学技術賞特別賞、国際高圧科学技術協会のJamieson賞、イタリア国際理論物理センターのWalter Kohn賞などを受賞した。馬教授は高圧の下でナトリウムが金属から絶縁体への逆Wilson変換を発見し、結晶構造予測方法を確立し、CALYPSO（Crystal Structural AnaLYsis by Particle Swarm Optimization）計算ソフトウェアを開発した。現在、CALYPSOはこの分野における国際的に通用する科学ソフトウェアとなり、70か国以上の2900人余りの研究者に使用されている。チームメンバーには国家人材4人、国家級青年人材が4人含まれている。チームは、国家重点実験室である吉林大学超硬材料および教育部重点実験室である物質シミュレーション方法とソフトウェアを頼りに、材料計算方法とソフトウェアの研究に20年以上従事しており、材料設計方法の分野において国際的にリードをしている。これまでに、科学技術部の「高性能計算」、「材料遺伝子工学」、「物態レギュレーション」など重点・専門プロジェクトや基金委員会の重大・重点プロジェクトを担当・参加し、累計調達経費は1億元を超えている。

　2. 市場将来性分析

　本プロジェクトの製品の1つであるCALYPSOなどのソフトウェアの商業版ライセンスを取得し、該当ソフトウェアは3次元結晶構造の研究だけでなく、2次元層状材料や2次元表面再構築、0次元クラスターの構造研究も行うことができる。将来的には、その他の構造現象に焦点を当てた流行りな研究（インターフェース、トランジションステート（transition-state）、化学反応）などのを行い、工業ソフトウェアの市場に向けて、2023年の世界工業ソフトウェア市場規模は5000億USドルを超えると予想されている。本プロジェクトの製品は、工業ソフトウェア市場における設計研究開発類ソフトウェアに属し、このカテゴリのソフトウェアは市場全体の約12%を占めている。

本プロジェクトのもう一つの製品はスーパーコンピューターサービス市場向けのソフトウェア計算サービスであり、近年計算力のレベル向上、データセンターの配置を整備するため、国家より「東数西算」プロジェクトの実施や「『第十四次五カ年計画』情報通信産業発展計画」など一連の政策を発表した。2021年11月、工信部が発行した「『第十四次五カ年計画』情報通信産業発展計画」では、2025年までに中国のデータセンターの計算力を2020年の毎秒9000億回の浮動小数点演算から毎秒3兆回の浮動小数点演算に引き上げ、年間の上げ幅は平均27%に達すると述べている。中国のスーパーコンピューターサービス市場は政策の後押しのもとで、より大きな活力を放つことである。

2016年から2021年にかけて、中国のスーパーコンピューターサービス市場は着実に拡大されており、2016年の65.1億元から2021年の196.6億元に増加し、ほぼ200億元に達し、複合成長率が24.7%に達した。

2022年、中国のスーパーコンピューターサービス市場の規模は約244億元で、成長率が24.5%であった。現在、スーパーコンピューターは先進的な電子技術、計算サービス、ソフトウェア応用などの方法を通じて、中国の重点産業に計算力サービスを提供している。スーパーコンピューター産業の生態系の構築は、スーパーコンピューター応用分野の関連産業の調整と高度化転換に実質的な後押しとなり、今後の市場規模は引き続き拡大することが予想される。

　3. 融資需要と融資用途

　プロジェクトは500万元の融資を計画し、主に高性能コンピュータークラスターの購入、製品開発、ソフトウェア購入及び流動資金に用いる。

　4.技術成果の効果分析

　4.1経済効果

プロジェクトの技術成果の市場価値は8500万元と予測される。

　4.2社会効果

この技術成果の産業化により、新材料の研究と開発が促進される：CALYPSO材料設計方法とソフトウェア技術の応用は、新材料の研究開発プロセスを加速させ、新材料の性能を高め、中国の新材料の研究と開発に強力な技術支援を提供することができる。産業構造の高度化が促進され、産業競争力が高まる。また、エネルギー利用効率を高め、新材料のエネルギー分野において幅広い活用を実現し、中国のエネルギー利用効率を高め、中国のエネルギー事業の発展に役立つものである。

　5.連絡方式：

　連絡係： 馬琰銘

　連絡電話：18946761831