テクノロジー成果産業化
商用車油圧緩衝器科学技術成果の産業化プロジェクト
1.プロジェクト簡単紹介
1.1技術成果の簡単紹介
油圧緩衝器は油圧ショックアブソーバー、油圧減速装置、エンジンアブソーバーなどとも呼ばれ、油圧装置を通じて車両の走行速度を減らす自動車緩衝器である。油圧緩衝器の役割は、車両の走行速度を減らし、直接衝突による構造損傷を防止することである。
本プロジェクトで産業化を行う商用車油圧緩衝器の技術は、主に国内の既存の油圧緩衝器製品の中の電磁弁、電気制御システムなどの核心部品が国外輸入に依存しており、高精度の固定/回転子製造技術のコストが高い、生産効率が低いなどの業界の痛点に対し、「機械、電気、ガス、液体」の一体化設計と最適化、RCUコントローラと電磁弁の集積、固定/回転子の高精度ロストワックス鋳造技術などの核心技術を突破した。
1.2技術分析と優位性
1.2.1核心技術分析
1.「機械、電気、ガス、液体」一体化の革新的な設計と改善を通じて、空力制御システムの最適化、性能需要に基づいたインペラ構造の多目標の最適化を実現し、動的制動トルク性能をより正確に予測することができる。熱管理と熱バランスのシミュレーションと予測を通じて、放熱システムの設計に理論的サポートと設計指導を提供し、制御損失49.1%を下げ、トルク品質比を8.64%高めた。
2.油圧緩衝器に応用する精度が高い、レスポンス速度が速い、集積度が高い知能化制御システムを開発した。自主開発したデジタル制御の高速スイッチング電磁弁ユニットの制御精度は5%向上し、応答時間は9%減少する。電磁弁ユニットは2進2出の冗長設計を採用し、信頼性を高めた。RCU、電磁弁ユニットと気圧センサは高度に集積され、コストは50%削減された。自主的に研究・開発し、技術の独占を破り、サプライチェーンの安全を保証する。
3.鋳鉄類ハウスの位置に対する厳しい要求と穴の間隔、同軸度、光沢度などの製造難題において、ブランク粗とり応力除去焼鈍技術を採用して、ブランク内の応力を除去した。高精密、変形防止、高剛性の自動的適応治具を発明して部品の取り付け後の取り付け精度を高め、取り付けが安定的で且つ変形しないことを実現し、高精密加工の需要を確保した。固定/回転子鋳造工程には独自で開発した自動ブロック抽出モードを採用して、精度を高め、生産効率を50%向上し、生産コストを70%削減した。
1.2.2技術革新と優位性
現在、チームは、製品の順方向研究開発システムとすべての部品に対する製造、組み立て、検査能力を既に形成しており、製品コストと信頼性の2大指標もコントロールでき、中間テストと産業化の前期作業は完成していて、輸入品の完全な代品になれる。
1.3技術成果の主要製品と応用
油圧緩衝器は牽引車、貨物運搬車、ダンプカー、客車及び各種工事専用車などのようなブレーキを頻繁に使用する車両、特に山間部で使用する車両、長い坂のある地域を通る車両、及び輸送安全性と車両ブレーキ補助に強制的要求のある各種の危険品輸送車両に適用する。
1.4技術成果の段階
プロジェクト技術成果は産業化段階にある。
1.5技術団体
技術チームは長年の協同作業と科学研究実践を経て、プロジェクト責任者を学術リーダーとし、中青年教師と博士課程の大学院生を主体とした、学歴構造と職級構造が比較的合理的な学術チームを形成した。ここ5年間、国家級と省・部級のプロジェクトを7件、企業の横向き課題は6件を担当し、振り込まれた科学研究費は累計1753.78万元で、発表した論文は累計52編で、そのうちSCIに収録されたのは22件、EIに収録されたのは19件である。授権された発明特許は39件、ソフトウェア著作権は5件である。3冊の教材編集に参与し、1冊の教材の改訂に参与した。2019年、二つの省・部級科学技術奨励を受賞したが、それぞれ中国機械工業科学技術進歩2等賞(ランキング4)、中国自動化学会科学技術発明1等賞(ランキング3)である。
2.市場将来性分析
商用車油圧緩衝器は車両の走行安全を高めるために装備された機械、電気、ガス、液体からなる制動補助装置であり、この装置は約70%以上の商用車の走行制動任務を担うことができ、特に下り坂の走行中に、主制動装置の使用を著しく減少することによってブレーキの過熱を効果的に回避し、制動ハブの亀裂、高温によるタイヤパンク及びブレーキの故障などの危険な状況の発生を低減することができる。
現在、国内の油圧緩衝器の市場は海外企業によりリードされ、且つコア部品は輸入に依存していて、製品コストはコントロールできないし、信頼性も欠けている。2016年、中国は強制的国家基準である『自動車、トレーラ及び自動車列車外郭寸法、軸荷重及び重量制限値』(GB1589-2016)を正式に実施した。この基準の実施は油圧緩衝器の市場開放を大きく推進し、最も明らかな変化としては、大型トラック積載量の上限に対して明確に規定し、物流車両の有効運力を10%~ 20%程度低減させた。既存の政策や法規と市場環境の下では、油圧緩衝器の応用は、輸送効率を向上し、運営コストを削減する効果的な措置となる。
関連機構の予測によると、ここ3年間、国内の中大型トラックの年間販売台数は90万台前後を維持し、2027年になると、緩衝器の市場浸透率は45%前後に達する見込みで、製品の市場空間は非常に広い。同時に、牽引車の高い普及率の影響を受けて、コールドチェーンの輸送、グリーン通路、家畜・家禽、高効率物流貨物車と小型ダンプカーにおける油圧緩衝器の需要が今後2年間で大爆発するに違いない。
3.融資需要と融資用途
プロジェクトは5200万元を融資する計画で、そのうち、流動資金は1800万元、生産材料は200万元、固定資産は3000万元である。
4.技術成果の効果分析
4.1経済効果
プロジェクトの技術成果が産業化された後、約8000万元の市場価値が生じられる。
4.2社会効果
プロジェクト製品である油圧緩衝器の現地化生産は、油圧緩衝器の輸入品のコストが高い膠着状態を破って、車両の安全性と運営効率の向上、運営コストの削減、及び道路安全性の向上に大きな役割を果たすことができる。
5.連絡方式
連絡係:徐婉
連絡電話:13756652164